人気SUVがモデルチェンジ メルセデス・ベンツGLCへ試乗 ブランドらしい高みを醸す

公開 : 2022.09.08 08:25

メルセデス・ベンツの人気SUV、GLCが新世代へモデルチェンジ。磨かれた洗練性や動的能力を、英国編集部は高く評価します。

260万台以上のベストセラーが新世代へ

メルセデス・ベンツの中型SUV、GLCが新しく生まれ変わった。スタイリングには、大きな驚きはないかもしれない。それは、先代の成功を新型も継承するという狙いの現れだろう。

GLCは2015年の発売以降、260万台以上が世界各国の道を走ってきた。メルセデス・ベンツとして、ベストセラーに輝く人気モデルへ成長している。

メルセデス・ベンツGLC(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLC(欧州仕様)

今回の開発で鍵を握っていたのが、モジュラー・リア・アーキテクチャーと呼ばれる先進的なプラットフォームの採用。シャシー剛性が15%向上し、四輪操舵システムや電圧48Vの電気系統の実装を可能としている。

これにより、効率の良いハイブリッドを採用したエンジン展開も実現できる。先進的なシャシーの電子制御技術も搭載できる。

ボディよりリニューアル度合いが高いのは、インテリア。メーターパネルに12.3インチのモニターが据えられ、ダッシュボード中央では11.9インチのインフォテインメント用タッチモニターが存在感を放っている。高級感も増している。

新型の全長は先代から60mm伸びているが、座席まわりの空間はそこまで明確に広くなった印象は受けない。そのうち33mmはリア・オーバーハングに充てがわれており、荷室容量は70L増しの620Lへ拡大した。リアシートをたためば1680Lになる。

選べるマイルドHVとPHEV ガソリンとディーゼル

英国に導入されるパワートレインは、3種類のマイルド・ハイブリッドと3種類のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)という構成。共通して9速ATと、4マティックと呼ばれる四輪駆動システムが組み合わされる。

GLC 300へ搭載されるのは、2.0L 4気筒ガソリンターボ・エンジンで、最高出力は258ps。電圧48Vのスターター・ジェネレーターが23psを加勢する、マイルド・ハイブリッドとなる。

メルセデス・ベンツGLC(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLC(欧州仕様)

GLC 220dとGLC 300dには、2.0L 4気筒ディーゼルターボ・エンジンが搭載される。それぞれ196psと268psの最高出力を発揮し、こちらも同じくマイルド・ハイブリッド化されている。

GLC 300eとGLC 400eがPHEVで、300と同じ2.0L 4気筒ガソリンターボを採用。前者が203ps、後者が251psを発揮する。電圧400Vで稼働する136psの駆動用モーターが組み合わされ、システム合計では300eが312ps、400eが380psとなる。

さらにディーゼルエンジン版のPHEV、GLC 300deも用意される。GLC 220dと同じ設定の2.0L 4気筒ディーゼルターボに136psの駆動用モーターが組まれ、システム総合333psを得ている。

電気の力だけで走行可能な距離は、300eと400eが104kmから120km。300deでは101kmから117kmと、若干短くなる。駆動用バッテリーの充電能力は、ACで11kW、DCで60kWまで対応。最短30分で満充電になるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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