ホールデン 知る人ぞ知る豪州初の自動車メーカーをさっくり解説
公開 : 2022.09.10 06:05
EH
1963年のユートは新型EHをベースに、2.4Lと2.9Lのエンジンに3速トランスミッションを組み合わせたモデルである。
トラーナ
FBベースのモデルの製造が続く中、ホールデンは英国ヴォグゾールのビバを国産化し、小型セダンのトラーナとして発売した。1.2L 4気筒エンジンを搭載していたが、1974年にはビバより350mm長いだけの5.0L V8モデルも登場している。
HK
1968年、ホールデンはシボレーとポンティアック向けの生産を終了し、新型車としてHKを発表する。このときホールデンは、スポーツ・マッスルカーに与えられる「モナーロ」をはじめ、さまざまな名称のバリエーションを導入している。
販売は順調に推移し、売上は増加の一途をたどった。累計10万台の達成から10年後の1969年には、200万台を達成。HKの後継モデルであるHTには、オーストラリアで初めて設計された量産型V8エンジンが搭載された。
HQ
1970年代初頭に発売されたHQ以降、ホールデンは一部を除いてほぼすべてのモデルの設計と生産を国内で行うようになった。HQは瞬く間に成功を収め、3年間で48万5600台を販売している。
また、ホールデン・プレミアのボディにロータリーエンジンを搭載したマツダ・ロードペーサーAPもこの頃に誕生した。価格の高さ、燃費の悪さ、性能の低さなどから販売は伸び悩んだが、GMのボディにロータリーエンジンを搭載した唯一の市販モデルとして記憶されている。
ハリケーン・コンセプト
1969年に発表されたハリケーン・コンセプトは、道路上の磁気ストリップで制御するナビゲーションシステムなど、多くの新技術を搭載していた。
トラーナGTR-Xコンセプト
1970年に発表されたトラーナGTR-Xも魅力的なコンセプトであった。しかし、十分な販売台数が見込めず、お蔵入りとなっている。
コモドア
1975年にヴォグゾール・カデットをベースにしたジェミニが、1978年にはカールトンをベースとしたコモドアが発売された。コモドアは発売初期こそ成功を収めたものの、より大型で車内が広いフォード・ファルコンの後塵を拝するようになる。
1980年代には、ホールデンは厳しい国内市場での存在感を高めるために、いすゞからさまざまなモデルを譲り受けた。フォードが優れた製品を投入し、日本メーカーも台頭してきたため、次第に苦しい状況へ追い込まれてきたのだ。
最新のコモドアVKの発売が話題になったが、結局のところ単なるマイナーチェンジに過ぎなかった。日産エンジンの採用には異論もあったが、ホールデンの6気筒エンジンを無鉛燃料に対応させる改造コストを懸念しての決断であった。