ホンダ新型車「ZR-V」 エンジン・スペック/乗り心地/AWD、4つの注目点とは 先行予約を開始!
公開 : 2022.09.08 11:36 更新 : 2022.09.08 23:40
3. ハイブリッド/エンジンのスペック
ZR-Vの日本仕様のパワートレインは、「ハイブリッド」と「内燃エンジンのみ」という2種類を設定する。
ハイブリッド仕様
まずハイブリッドは、ホンダ得意の「e:HEV」で、2L直噴エンジンと、2モーター内蔵の電気式CVTを組み合わせる。
最高出力(エンジン)141ps/6000rpm
最大トルク(エンジン)18.6kg-m/4500rpm
最高出力(モーター)184ps/5000-6000rpm
最大トルク(モーター)32.1kg-m/0-2000rpm
モーターの32.1kg-m(315Nm)という最大トルクは3Lエンジン並みの数値で、余裕のトルクを持って意のままに走ることができそうだ。
内燃ガソリン仕様
エンジン車は、1.5Lの直4 VTECターボにステップシフト付きのCVTを組み合わせる。
最高出力:178ps/6000rpm
最大トルク:24.5kg-m/1700-4500rpm
シビックのパワーユニットと比べて、エンジン車の最高出力のみ4ps(3kW)ほど低いが、他のパワースペックは同じ。
それでも、ファイナルなどはZR-V専用のセットアップがされており、リニアリティ/レスポンスを重視したセッティングに。また、スポーツモードも設定された。
パワートレインの注目は、曲げやすいAWDだ。
4. “曲げやすい”AWDとは
SUVとしては重要なポイントとなるAWDにおいても、サスペンションや4WDシステムの進化・最適化により、ドライ路面でも安心・安全な走行を実現する。
ホンダ独自のリアルタイム4WDシステムでは、後輪へのトルク配分を従来より2割ほどアップ。前・後の駆動力配分も見直され、MAXで50:50とリアの役割を高めた。
これに加え、リアのトルク限界線を向上。
旋回Gが高まってもリアのトルク配分を極端に減らすことなく、また配分をアップしたリアの駆動力をしっかり受け止められるように、サブフレームやリアサスの位置決めを最適化するなど、リアサスまわりにチューニングが施された。
そのため、四輪のタイヤ利用率が最適化され、旋回時に前輪が“縦にかくチカラ”を後輪に回すことで、前・後のタイヤ利用率がアップし、つまりは限界性能が向上する。四輪を使いきるAWDの誕生だ。
前述のリアサスの作り込みと相まって、(まるでセダンのように)気持ちよくコーナーを抜けるSUVになったというから、試乗レポートも別の記事でご紹介しよう。
当然ながら雪上走行性能も向上しており、旋回時・登坂時などでも、従来のSUVよりもリアにトルクを配分することで前輪の空転を制御し、加速Gを向上。
雪上の旋回時でも、安心して加速することができるし、登坂路でも安心して発進できる。従来のSUVに対して安心感のある雪上走行性能も実現しているのだ。
「ZR-V」の発売は今秋を予定していたが、慢性的な半導体不足・不安定な海外情勢という複合的要因により、一部部品入荷の遅れが発生しているため、2023年春まで延期された。
ホンダのSUV戦略における新たなピースとなるZR-V。最新情報が届き次第、続報をお伝えしよう。