オンとオフの見事な融合 ランドローバー・レンジローバー・スポーツP530へ試乗 3代目へ一新 前編

公開 : 2022.09.19 08:25

内装素材や製造品質に非の打ち所はない

インテリアにも、この感覚は通じている。エアコンの送風口が伸びる水平貴重のシャープなダッシュボードは、上質なレザーで仕立てられている。ゆったりとしたサイズのシートには、跳ね上げ式のアームレストが付いている。

メーターパネルは大きなモニター式。中央には、ピヴィ・プロと呼ばれるインフォテインメント用のタッチモニターと、扱いやすいエアコン用のダイヤルが並ぶ。手前側では、ランドローバー自慢のテレインレスポンス・コントローラーが輝く。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツ(欧州仕様)
ランドローバー・レンジローバー・スポーツ(欧州仕様)

レンジローバーと比べると、シートの座面は20mm低い。ステアリングホイールはひと回り小さく、2本ではなく3本のスポークで肉厚なリムを支えている。

内装素材や製造品質に非の打ち所はない。ランドローバーがレンジローバー・スポーツも一層ラグジュアリーSUV側に寄せたいと考えていることが、よく表れている。

筆者は少し前に、高級車へ与えられる授賞式でベントレーの上層部の方と同席したことがある。彼女は、メルセデス・ベンツSクラスが選考対象には当てはまりにくいと考えていた。市場やターゲット層が異なると。

その考えを理解できなくはないし、レンジローバーに対しても同じ言葉を発するだろう。確かに、すべての素材がくまなく高級というわけではない。だが、デザインの美しさでは劣っていないと思う。一流のインテリアだ。

ベントレー・ベンテイガには届いていないものの、価格もだいぶ違う。BMW X5ポルシェカイエンのトップグレードには負けていない。ちなみに後者は、レンジローバー・スポーツの最大のライバルになるといえる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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