死ぬまでに1度は運転したい ポルシェ 911 GT3 + GT3 RS(997型) 英国版中古車ガイド 

公開 : 2022.09.22 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は

期待通り、GT3 RSは素晴らしい。ポルシェはシャシーの特性として、アンダーステア傾向を巧みに調整しており、ドライバーがそれを修正していける懐の深さもある。

ポルシェが素晴らしく速く、痛快なサーキットマシンを作れることは、今や共通認識だろう。それでいて、GT3 RSは日常的な移動手段としても問題ない。これほど乗りやすいことが信じられない。(2006年5月17日)

ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)
ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)

専門家の意見を聞いてみる

ダニー・ケイ氏:レボリューション・ポルシェ社代表

「997型のGT3とGT3 RSは非常に素晴らしいクルマです。すべてを叶えているといって良いでしょう。わたしが1番好きなポイントは操縦性。サーキットでの生き生きとした走りには、本当に驚かされます」

ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)
ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)

「死ぬまでに1度は運転したいクルマの、1台に加えるべきですね。現在の価格は上昇の一途。下がる気配はありません」

「エンジンは信頼性が高いですが、わたしが点検する例の多くはラジエータークーラントが漏れています。タイヤとブレーキの状態も大切です。英国の場合、サーキット走行を楽しむマシンとして乗られているのが常なので、購入前の点検は重要ですよ」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ラジエータークーラントの漏れに注意。クーラントのパイプは、熱膨張から劣化するだけでなく、腐食もしやすいようだ。サーキット走行を楽しみたい場合は、エンジンオイル交換もこまめにしたい。

タイヤとホイール、ブレーキ

前期型のセンターロック・ホイールは、不具合が生じやすかった。安くないタイヤやブレーキの摩耗具合は、契約前に確かめておきい。アライメント調整も大切だ。

ボディとシャシー

ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)
ポルシェ911 GT3 RS(997型/2006〜2011年/英国仕様)

サーキット走行中にダメージを受け、修理されていることも少なくない。適正な処理が行われているか、時間を掛けて確認したい。

知っておくべきこと

2011年に発売されたGT3 RS 4.0は、最高の997型ポルシェ911として特別扱いを受けている。500psを発揮する4.0Lエンジンを搭載し、カーボンファイバー製部品を多用することで、1360kgまで軽量化されていた。

製造台数は600台と少なく、近年は特に高値で売買されている。30万ポンド(約4950万円)という例も珍しくない。

英国ではいくら払うべき?

9万ポンド(約1485万円)〜9万9999ポンド(約1649万円)

状態の良い997.1型のGT3を英国では選べる価格帯。走行距離は8万km以下が多い。

10万ポンド(約1650万円)〜11万9999ポンド(約1979万円)

走行距離が2万kmに満たない、丁寧に扱われてきた997.1のGT3を英国では探せる。

12万ポンド(約1980万円)〜14万9999ポンド(約2474万円)

ポルシェ911 GT3(997型/2007年/英国仕様)
ポルシェ911 GT3(997型/2007年/英国仕様)

状態の良い997.2型のGT3や、997.1型のGT3 RSを英国では選べる価格帯。

15万ポンド(約2475万円)以上

コレクターズカーとして温存されてきたGT3 RSを狙える。走行距離は長くても5万km以下のようだ。

英国で掘り出し物を発見

ポルシェ911 GT3 3.6(997型/英国仕様) 登録:2007年 走行距離:3万6200km 価格:9万9990ポンド(約1650万円)

前期型の997.1型GT3としてはお手頃ではないものの、後期型の997.2型GT3 RSの半額と考えれば、狙い目ではないだろうか。素晴らしい動的能力で、他に例のないドライビング体験を堪能できるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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