選べる3種のハイブリッド 新型レクサスRXへ試乗 5代目へ進化 500hは6速AT採用

公開 : 2022.09.15 08:25

インテリアや走行時の洗練性は高い

インテリアの印象は良い。レクサスによれば、装飾的な部分よりテクスチャやフィーリングに重点を置いて仕上げたという。確かに素材の質感は全体的に高く、スイッチ類などのデザインもクリーンにまとまっている。

ダッシュボードの中央には、14.0インチのタッチモニターが据えられる。トヨタは今後、さらにスマートフォンとの統合が進むと考えているようだ。

新型レクサスRX(北米仕様)
新型レクサスRX(北米仕様)

ハイブリッド・システムには3種類が存在するものの、RXを運転して得られる印象は共通している。ステアリングは滑らかで、乗り心地は落ち着いている。

洗練性は非常に高く、風切り音やタイヤノイズなども極めて小さい。加速中は、350hと450h+の車内にはエンジン音がハミングのように小さく響く。ハイブリッド・システムが、高い回転域を利用するためだろう。

6速ATが搭載される500hの場合、よりダイレクト感が強くレスポンスもいい。ただし、新しいRXで最速なのは間違いなくPHEVの450h+。0-100km/h加速は、500hの6.5秒に対し6.2秒となっている。

この500hでは、アダプティブダンパーが標準装備され、コーナリング時などの姿勢制御を高めている。とはいえ、ジャガーFペイス SVRのようにドライバーを鼓舞するほどではない。

運転する楽しみを最も求めるなら350h

新しいRXで最も運転する楽しみを求めるなら、トヨタの想定とは違うかもしれないが、350hがベストなように感じた。500hと450h+の車重は2.1t前後あるが、350hは約130kgも軽いというのが1番の理由。1t台に留めている。

その結果、敏捷性や応答性がRXのなかでは1番優れる。さらに燃料消費量も少なく、英国では税金でも有利といえる。

新型レクサスRX(北米仕様)
新型レクサスRX(北米仕様)

レクサスRXは積極的な運転ではなく、落ち着いた走りとの相性が良いことに変わりはないだろう。具体的な評価は、英国価格が判明するまでお預けとしたい。

レクサスの英国ディーラーの印象やモデルの所有体験は、以前から素晴らしい。少なくともこれまでの例を踏まえると、パワートレインに関係なく、悪くない評価が与えられるのではないだろうか。

レクサスRX 500h(北米仕様)のスペック

英国価格:7万ポンド(約1155万円/予想)
全長:4980mm
全幅:1920mm
全高:1695mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:12.0-12.5km/L
CO2排出量:182-189g/km
車両重量:2100kg
パワートレイン:直列4気筒2393ccターボチャージャー+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:371ps(システム総合)
最大トルク:56.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:6速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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