ガンディーニの傑作スーパーカー ランボルギーニ・カウンタック 英国版クラシック・ガイド 後編
公開 : 2022.10.01 07:06 更新 : 2022.10.17 09:39
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ランボルギーニの4カムV型12気筒エンジンは基本的に堅牢。メンテナンスさえ怠らなければ、16万km位はリビルドなしで走ることができる。構造は複雑で、整備によってはかなりの費用が必要になることも想定したい。
ミスファイヤやエンジンオイル燃焼の兆候がないが確かめる。納車前の全面的な整備は不可欠。不安なら専門家へ依頼した方が良いだろう。
フロント側にエンジンオイルのクーラーがあり、パイプは長い。途中で破損することも。
ボディとシャシー
スチールパイプ製シャシーは錆が大敵。特にスペアタイヤとドライブシャフト付近は錆びやすいものの、確認しにくい。ドア周辺やヘッドライト付近、ルーフもチェックポイント。
アルミニウム製のボディパネルは、スチールと接触する部分で電解腐食しやすい。ドアのエッジやフェンダーパネルの継ぎ目には要注意。グラスファイバーの接着部分の状態も確かめたい。
カウンタックの多くは、何らかの事故にあっていると考えて良い。ボディパネルの継ぎ目やフレームのパイプが整って見えても、過去の整備記録の確認は忘れずに。
インテリアと電気系統
クアトロバルボーレや25thアニバーサリーではリレーなど電装系の部品が増えており、加熱から不具合を招きがち。車内は暑くなりやすく、エアコンは必須。事前に動作を確かめたい。
ブレーキとサスペンション、トランスミッション
初期モデルのブレーキペダルの感触は良好。LP500からは若干悪くなる。長く乗らないでいると、キャリパーやハンドブレーが固着することがある。サスペンションのボールジョイントは摩耗しやすく、操縦性が悪化する。
5速マニュアルのトランスミッションは、好調でもメカノイズが大きい。変速に問題がなければ、焦ってリビルドする必要はない。クラッチは、油圧の不調で早く摩耗することがある。交換はエンジンを降ろすことになる。
ランボルギーニ・カウンタックのまとめ
唯一無二の見た目と秀でた動力性能、操縦性など、究極のスーパーカーの1台といえるランボルギーニ・カウンタック。使い勝手も悪いわけではない。過小評価されていた時期もあったが、近年は価格が高騰中。需要に対して充分な数が残っていない。
ガレージへ1台をとお考えの場合は、年式や仕様には拘らない方が良いだろう。理想とするカウンタックではなくなるかもしれないが、購入するなら早い方が賢明。
長期間放置されてきたような例へ手を出すと、永遠に修理へ追われることにもなりかねない。焦らず、良く確認して選びたい。
良いトコロ
尖った見た目から想像する以上に、優れたドライバーズカー。英国には優れた専門ガレージも複数存在し、メンテナンス状態が良ければこの年代のスーパーカーとしては信頼性も高い。注目度の高さも突出している。
良くないトコロ
不具合が生じた場合は、大きな財布が必要になる。エンジンや駆動系の部品はまだ探せるものの、内装の入手は困難。完全なレストアは難航するだろう。
ランボルギーニ・カウンタック(1974〜1990年/英国仕様)のスペック
英国価格:6万9565ポンド(1986年時)
生産台数:約2000台
全長:4140mm
全幅:1890-2000mm
全高:1070-1100mm
最高速度:265-305km/h
0-97km/h加速:4.2〜5.6秒
燃費:3.5-5.3km/L
CO2排出量:−
車両重量:1200-1497kg
パワートレイン:V型12気筒3929/4754/5167cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:380ps/8000rpm-455ps/7000rpm
最大トルク:36.9kg-m/5000rpm-50.9kg-m/5200rpm
ギアボックス:5速マニュアル