キャンピングカー市場に黒船? フィアット・デュカト正規販売店が決定 ハイエースのライバルに
公開 : 2022.09.15 18:10 更新 : 2022.09.17 09:20
トイファクトリー/ホワイトハウスの見立ては?
輸入キャンピングカーは、「日本の道路には大きすぎる……」というイメージが先行する。しかし、日本仕様のデュカトの全長は、標準タイプで5.4m。これは、ハイエースのスーパーロングとほぼ同じである。
正規販売代理店となったトイファクトリー社の藤井昭文 代表取締役社長は、デュカトの魅力について「(2021年の)欧州シェア70%という実績が魅力の1つ。そして、バンでありながら乗用車然としている部分、乗員が安全というのも特長です。また、横幅が日本のバンベースのものより広くなるので、横方向に寝ることができます」と説明してくれた。
「国内マーケットへの導入は、ものすごく期待しておりました。キャンピングカーの中でもバンコンというカテゴリーが一番売れており、5.4mクラスのハイエースが一番人気。同じ車格となるデュカトは、車内レイアウトの自由度が非常に高いので期待している」と、バンコンに強いビルダーならではの視点で評価。
また、ホワイトハウス・キャンパーを展開しているホワイトハウス社の木村文夫 代表取締役は、「われわれにとっても、お客様にとっても待望の導入です。日本では、バン・コンバージョンは、やはりハイエース一辺倒。制約のあるなかでお客様のニーズに応えられないことも、今までございました。デュカトは、そうしたお客様の声に応えられるベース車両になるのではないか」
「それに、バンであっても本当に乗り心地がいい。乗った瞬間に分かって頂けます。バンというより乗用車の乗り心地でしょう。あれだけ精度の高いナビゲーションが装着されているのも1つのポイントではないか」とハイエースにはない魅力を強調した。
ポンタス社長「マイペースな旅を楽しいものに」
正規販売代理店契約の調印式に登壇したステランティス ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長は、キャンピングカーの市況を次のように分析している。
「コロナ禍は、多くの人々にインディヴィジュアル・モビリティの安全性、楽しさ、それがもたらす新しい価値に気づいて頂ける契機となりました。なんといっても自国の良さを知る機会にもなりましたし、旅路においても、そこから仕事ができるという気付きがありました」
「消費者や業界の方々からよくお話を伺うのですが、皆様が口を揃えて語るのが、コロナ禍が去ったあとでもキャンピングカーの価値は上がりこそすれ、下がることはないだろう、キャンピングカーが提供する新しいライフスタイルはこれからも支持されるだろう、ということでした」
「美しい山々や森林、海岸に加えて、素晴らしい郷土料理、そして世界でも有数の安全性を誇り、キレイに整備されているインフラが、自動車でのマイペースな旅を楽しいものにしてくれます。それが、日本という国だと思います」
「デュカトなら、広大な後部スペースを(ビルダー5社が)どのように仕立てるかは想像力次第で、無限の可能性を持っています。そしてドライバーの方は、キャンピングカーであることを忘れて、普通の自動車を運転しているように楽しめます」
そして、「今回ご紹介させて頂いたパートナーの皆様が、デュカトを素材としてどのように仕立ててくださるのか非常に楽しみです」と、新たなビジネスへの期待を語った。