三菱アウトランダー2.2 DiD 4WD GX4
公開 : 2012.06.23 13:37 更新 : 2017.05.29 19:26
■どんなクルマ?
アウトランダーは、三菱の今後の4年間を担う重要なモデルであり、次世代のフロンティア・モデルである。このアウトランダーには、内燃機関と電気モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド・モデルの登場も約束されているのだ。
しかし、今回われわれが試乗したのは、2.2リッターのディーゼル・エンジンを搭載した4WDモデルで、6速トランスミッションが組み合わせられたモデルだ。そのパワー・ユニットは、2010年登場した複雑なMiVECバルブ・タイミング・システム・エンジンを捨て、新たにターボ圧とジオメトリーを再調整したエンジンが搭載される。そのパワーとトルクは小さくなったが、100kg近く軽くなった車重もあって、0-100km/h加速は旧モデルよりも0.1秒速くなっている。
■どんな感じ?
エンジンはコールド・スタートでも簡単に目覚める。一旦走りだすと、ロード・ノイズとウインド・ノイズは非常に良く抑えられていることが解る。
2.2リッター・ディーゼルは元気溢れるエンジンだが、通常のディーゼル・エンジンのようなトルクフルな感じを直接得ることはできない。どちらかといえば、ガソリン・エンジンに似た感覚のあるパワー・ユニットだ。
スタリングは十分レスポンシブルで、旧モデルよりもボディ・コントロールに優れている。それは、フロントがマクファーソン、リアがマルチ・リンクというサスペンションがもたらすものだろう。更に、三菱は、剛性を上げるためと、リア・トー・ステアイングを与えるためにツイン・サブフレームを導入したが、それがハンドリングに大きく寄与しているようだ。
また、4WDエコ・モードでは、ヨー・レート・センサーの情報を基に、ステアリング・レスポンスをシャープにする機構も用いられている。
インテリアは、三菱のモデルの中でも最も洗練されたといってよいほどのフィニッシュがされている。プラスティックのパッチワークのようなインストルメントは、ソフト・タッチの材質に変更されている。しかし、若干、まだ安っぽい材料が使われている部分も残されている。
この新しいアウトランダーは、それまでの5+2シーターではなく完全な7シーターとした。しかし、折りたたみ式のサード・シートは、相変わらず足元のスペースが不足している。一方、セカンド・シートは60:40の可倒式で座り心地も良い。残念なのは、サンフールがヘッドクリアランスを1/2インチほど奪ってしまったことにある。
三菱はアウトランダーはエンジニア・カーだとコメントしている。それはどの空気抵抗が0.36から0.33に減らされたことからも想像が付く。
■「買い」か?
三菱は3度目のチャレンジで、Dセグメント・クロスオーバーの壁を超えたように思える。ドライブ・フィールは快適で洗練された。とはいうものの、そのエンジン・パワーは決定的に不足している。その点では、マツダCX-5には敵わないと言えよう。
プラグイン・ハイブリッド・モデルが待ち遠しくなる1台である。
(スチュアート・ミルネ)
三菱アウトランダー2.2 DiD 4WD GX4
価格 | 32,000ポンド(400万円) |
最高速度 | 200km/h |
0-100km/h加速 | 9.7秒 |
燃費 | 17.8km/l |
Co2排出量 | 146g/km |
乾燥重量 | 1590kg |
エンジン | 4気筒 2268cc |
最高出力 | 148bhp/3500rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |