フェラーリ初のSUVに何を期待する? 海外ライターの本音 新型プロサングエ

公開 : 2022.09.17 18:05  更新 : 2023.03.07 10:24

9月14日についに公開された、フェラーリ初のSUVプロサングエ。以前のFFやGTC4ルッソとの違い、ライバル車との差別化、フェラーリらしさなど、どんなところに期待するか。海外編集部の本音を探りました。

2022年9月14日、フェラーリは、同社初となる待望のSUV「プロサングエ」を公開した。

フロントミッドにV12を搭載するなど、フェラーリの基本を踏襲したこの「FUV」(フェラーリ・ユーティリティ・ビークル)は、「真のスポーツカー」であることに変わりはない、と同社は言う。

フェラーリ・プロサングエはどのようなクルマなのだろうか。
フェラーリ・プロサングエはどのようなクルマなのだろうか。

しかし、この最高出力725ps、39万ユーロ(約5600万円)の4ドア4シーターは、自動車業界においてどのような存在となるのだろうか。

AUTOCARの英国編集部で主に試乗記を担当するスタッフは、このクルマにどんなことを期待しているのか。4人に意見を聞いてみた。

スティーブ・クロプリー:フェラーリらしい特別感

わたしがフェラーリについて感銘を受けているのは、特別なステアリングフィール、特別なサウンド、特別なフットコントロール、さらには特別なシートなど、常にライバルとの違いを感じさせることだ。

他の車種とはまったく異なるFFを初めて見たときも、いかにフェラーリらしさを感じさせるものであったか、一目瞭然だった。

ハイライドのSUVでも、フェラーリらしさは感じられるだろうか。
ハイライドのSUVでも、フェラーリらしさは感じられるだろうか。

だから、フェラーリには、新しい形式のクルマであっても、そうしたキャラクターを貫いてほしいと思っている。

そこにクロスオーバーの良さである広さ、快適さ、利便性、乗り降りのしやすさをうまく採り入れれば、非常にいいクルマになると確信している。特に後発のフェラーリは、他者の経験や失敗から多くを学んでいるはずだ。

リチャード・レーン:機敏性とバランス感覚

背の高いGTC4ルッソのようなもので、後席へのアクセスやラゲッジスペースが格段に優れているだけに、認めたくないが、実際に乗ってツーリングする人にとっては魅力に欠けることはないだろう。

結局のところ、高いところに座るのは本質的に快適なものだ。アストン マーティンDBX 707をこれほどまでにダイナミックに仕上げたのなら、フェラーリも同じ高みに到達できるだろうと想像せざるを得ない。

最高出力725psのV12エンジンはどのような仕上がりか。
最高出力725psのV12エンジンはどのような仕上がりか。

ライバル車との比較では、プロサングエの足の軽さ、機敏さ、バランスの良さが際立つと思う。アルファのステルヴィオ・クアドリフォリオや、ある程度はアストンが示したような、純粋に遊び心にあふれたものになるかもしれない。しかし、V12の醸し出す雰囲気がどれほど似合うか、わたしにはわからない。トルクが鍵になりそうだ。

マット・プライヤー:本物のフェラーリか

フェラーリFFとGTC4ルッソのオーナーは、自身のクルマを愛し、大いに活用している。

プロサングエはその使い勝手をさらに一段と向上させるはずで、現代のフェラーリの多くが年間平均5000kmを走行していると考えると、それを大きく上回るのではないだろうか。

フェラーリは「フェラーリである」ことをとことん追求しているようだ。
フェラーリは「フェラーリである」ことをとことん追求しているようだ。

チーフエンジニアのラファエレ・デ・シモーネは、フェラーリは「本物のフェラーリになるまで」SUV/クロスオーバーを作ることに抵抗があると言った。その言葉が本物かどうかは、そのうちわかるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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