高性能版アイオニック5の試験台 585psのヒョンデRN22eへ試乗 驚くほど鋭い回頭性
公開 : 2022.10.01 08:25
日本でも販売されるアイオニック5には、高性能版が控えています。英国編集部がEVパワートレインの試作車へ試乗しました。
高性能版のアイオニック5 Nを想定
680psのヒョンデNビジョン74というコンセプトカーへ試乗したレポートを、先日お読みいただいた方もいらっしゃると思う。その会場には、量産モデルとの関係性が近いRN22eというクルマも用意されていた。
RN22eが搭載するパワートレインは、間もなく登場すると噂されるヒョンデ・アイオニック5の高性能版、アイオニック5 Nを想定したもの。スタイリングにNビジョン74ほどのインパクトはないものの、内容はだいぶ量産モデルへ近い。
大きなリアウイングやディフューザーが追加されているが、フォルム自体はヒョンデの新モデル、アイオニック6と同じ。高性能なバッテリーEV(BEV)用パワートレインの開発に投じられたプロトタイプだ。
駆動用バッテリーは電圧800Vで制御される、容量77.4kWhのもの。合計585psを発揮する2基の駆動用モーターも含めて、素晴らしい仕上がりのキアEV6 GTへ搭載されるものと基本的には同じだという。
このRN22eのシャシーには、アグレッシブなトルクベクタリング機能を実現する、ツインクラッチのリアデフが組み込まれている。回生ブレーキも、高速域での走行を前提に強化されている。
驚くほど機敏な回頭性 内燃エンジンの疑似音
実際にRN22eのステアリングホイールを握らせてもらったが、強烈な加速を披露したNビジョン74ほどではないにしろ、穏やかなモデルだとは到底いえない。正直いって極めて速い。
回頭性は驚くほど機敏で、コーナリング中の姿勢制御もしやすい。ピレリPゼロ・コルサというハイグリップ・タイヤも、鋭い身のこなしに貢献しているはず。
高速域でリアタイヤは盛大にスライドしようとするが、これはスタビリティコントロールの設定があえて緩いため。そこから一層攻め込んでも、気難しい挙動は示さない。
試乗時はヒョンデのホットハッチ、i30 Nがペースカーとして先導し、トップスピードを制限していた。監視役の技術者も助手席に乗っていたものの、思い切りボディを振り回しながらサーキットを楽しめる素質を備えていた。
このRN22eには、パワフルなパワートレイン以外にも新しい機能が実装されていた。1つ目が、内燃エンジンを模した人工サウンド。クルマの内外へエンジン音に似たノイズを鳴らし、シートの下面からは振動も発生するようになっている。
第一印象は、他社のシステムより好ましかった。恐らく、内燃エンジンの音に近いためだろう。とはいえ、オフの方がより好印象だったことも確かだ。