世界のワイルドすぎるクルマ 43選 前編 平凡からかけ離れた異端児たち
公開 : 2022.09.24 18:05
ダッジ・チャージャー・デイトナ
モータースポーツでの成功を目指して、ワイルドな市販車が生まれることがある。ダッジ・チャージャー・デイトナは、その典型的な例である。
風を操るノーズコーンと巨大なリアウィングを備え、1969年と1970年にNASCARに参戦。ダッジと並ぶエアロウォリアーは、プリムス・スーパーバードである。
優れたレーシングカーは、その登場から間もなく出場禁止になることが多い。しかし、NASCARの主催者は、もっと巧妙だった。1971年からは、競争力を失うような比較的小さなエンジンを搭載しなければ、参戦を許さなかったのだ。
ダッジ・ロイヤル
1950年代半ばから後半にかけて、3世代にわたって6年間だけ生産されたダッジ・ロイヤル。このモデルだけを見ても、この時期の米国車のスタイリングの変遷を知ることができる。
最初の2世代はまだ1940年代の雰囲気が残っている。3代目では、完全に「ジェットエイジ」に突入する。この長くシャープなテールフィンがないと、当時の米国ではほとんど売れなかったのだろう。ロイヤルは1959年モデルで生産中止となった。
エドセル・コルセア
コルセアは、フォードの新ブランド、エドセルが最初に手がけたモデルである。物議を醸したエドセルのスタイリングは、ブランドをわずか3年で崩壊させた原因の1つとなっている。当時、タイム誌はこのクルマを「レモンを吸ったオールズモビル」と評した。
たった1度のモデルイヤーで、デザイナーはコルセアにオリジナリティを追求することを諦め、59年モデルでははるかにオーソドックスなクルマとした。1958年の急激な景気後退により、戦後の長い好景気が一挙に終わりを告げ、エドセルは1960年初頭に姿を消してしまった。
フェラーリ・モンツァSP1
ロングシリーズのフェラーリ・モンツァの最新モデルであるSP1とSP2は、最新鋭の技術と、少しレトロでドラマチックなスタイリングが融合したモデルである。
SP1はシングルシーターであるため、より異彩を放っている。モンツァはフロントエンジンで、シャシーの中央にプロペラシャフトが通っている。
このため、ドライバーズシートは左側にオフセットされており、ドライバーをプロペラシャフトの上に座らせるよりも良いレイアウトとなっている(ただし、これはフェラーリがF1に参戦していた頃の常識であった)。
フィアット8Vスーパーソニック
フィアットがデザインした8Vは、一風変わったスポーツカーだった。いくつかの独立系コーチビルダーが独自のバージョンを製作したが、いずれもさまざまな方法でドラマチックに仕上げている。
なかでも飛び抜けて美しいのは、ギア社のジョバンニ・サヴォヌッツィ(1911-1988)が手がけたスーパーソニックであろう。サヴォヌッツィは航空産業での経験を生かし、最低でも10年はモダンに見せるフォルムを作り上げた。