世界のワイルドすぎるクルマ 43選 後編 平凡からかけ離れた異端児たち
公開 : 2022.09.24 18:25
メッサーシュミット
イセッタが最もよく知られたバブルカーだとすれば、最もワイルドなバブルカーはメッサーシュミットKR175とKR250に違いない。テリー・ギリアム監督の近未来映画『未来世紀ブラジル』でも、その奇抜な外見から、メッサーシュミットが使用されている。
メッサーシュミット社の関与は、名前と工場を提供した程度であった。実は、このクルマは航空エンジニアのフリッツ・フェンド(1920-2000)が設計したもので、戦争で手足を失った人たちの移動手段として開発されたのだが、低価格のクルマとして幅広い購入者にも好評だった。
MGメトロ6R4
メトロは1980年から1998年まで、英国のさまざまなブランドで販売された小型ハッチバックで、後にローバー100と呼ばれるようになる。その中で、どれが最もワイルドなモデルかは議論の余地がない。MGメトロ6R4は、あらゆる点で他モデルと異なっている。
リアに3.0L V6エンジンを搭載し、四輪駆動システムを採用。大胆にエアロダイナミクスを追求したが、実際の空力効果については激しい議論が交わされた。
日産キューブ
3代目となる日産キューブは、日本以外でも同じ車名で販売された。そのキュートなルックスは、日本ではすんなり受け入れられたものの、欧州や北米では過激に映った。
日産はこのクルマについて、後方視界が「素晴らしい」という大胆な主張を行ったが(簡単に反論された)、販売の助けにはならなかった。キューブは普通のクルマではなく、デザイン・オブジェとして広告を打った方が理にかなっていたかもしれない。
米国では5年、英国ではわずか2年の販売にとどまった。
プジョー205 T16
ほぼ同時代のMGメトロ6R4と同様、205 T16は従来の小型ハッチバックを贅沢に改造したモデルであった。
1.8Lターボエンジンをリアに搭載し、四輪駆動システムを追加、エアロダイナミクスを大幅に向上させ、リアボディを一体化することでエンジンとトランスミッションの整備を容易にするなど、小さな205を大変身させた。
T16は、プジョーが1985年と1986年の世界ラリー選手権のドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを獲得するきっかけとなった。
プジョー402
1935年当時の基準では、プジョー402は驚くほど合理的なクルマであった。特にヘッドライトは、ラジエーターグリルの裏側、空気の流れをできるだけ妨げない位置に取り付けられている。現代にあてはめれば、安全性の観点から売るに売れないデザインである。
しかし、1930年代には、そんなこと誰も気にしなかった。実際、プジョーは同じ1930年後半に、より小型の202と302に同じデザインを採用している。202は戦後も数年生きながらえたが、奇抜なヘッドライト配置はその後二度と使われることはなかった。