世界のワイルドすぎるクルマ 43選 後編 平凡からかけ離れた異端児たち
公開 : 2022.09.24 18:25
プリムス・プロウラー
一般にホットロッドといえば、工場出荷後、オーナーによって大規模な改造が施されたクルマのことを指す。プリムス・プロウラーは、顧客が手にする前からホットロッドとして作られた珍しい例である。
スタイリングは紛れもなくレトロだが、シャシーにはアルミニウムを使用している。大型の(そして騒音の大きい)V8エンジンではなく、3.5L V6エンジンを採用したことは批判されたが、プロウラーは性能よりもスタイルに重きを置いているのだ。
2001年にプリムスブランドが消滅した後、クライスラーとしてさらに2年間販売され、合計1万1702台が製造された。
ポンティアック・アズテック
どんな製品でも、生産に入る前に誰かがチェックして、「うん、いいんじゃない」と認めなければならない。ポンティアック・アズテックの場合、なぜこのような姿になったのかは、自動車史の中でも大きな謎の1つである。
アズテックは、見た目が見た目だけに過小評価されがちだが、クロスオーバーSUVとしての実力は折り紙付きである。しかし、2001年に発売されたときから、今日に至るまで「醜いクルマ」として記事のネタになるという役割を担い続けている。
構造を共有するビュイック・ランデブーは、比較的オーソドックスなスタイリングを備えている。当然というべきか、売上はアズテックを圧倒的に上回った。
ポルシェ911 GT1
ポルシェ911で最もワイルドなのは、1990年代後半に生産されたGT1だろう。議論の余地はない。その差は歴然だ。実際、GT1は当時の911とはほとんど関係がない。
スポーツカーレースのために開発されたGT1だが、ポルシェはホモロゲーションのために、ストラッセンバージョン(ストリートバージョンの独語)と呼ばれる公道走行可能なモデルを少量生産することを義務づけられたのである。
第三者機関によるテストでは、0-100km/h加速のタイムが3.9秒、最高速度は307km/hに達している。これは、20世紀のロードカーとしては驚異的な数字である。
ラディカル
英国のラディカルは四半世紀にわたってスポーツ・レーシングカーを製造しており、その多くは公道走行が可能である。サーキットを走らせても違和感がなく、一般道では通行人の注目を集めること間違いなし。
ラディカルはまた、経験豊富なエンジンビルダーでもある。RPE V8は、スズキ・ハヤブサのエンジンを2基、共通のクランクケースに収めたもので、他社製のヒルクライム用シングルシーターにも使用されている。