注目はキドニーグリルだけじゃない BMW iX(1) 長期テスト BEVのベンチマーク

公開 : 2022.10.02 09:45

従来の枠を超えたワクワクする暮らし

iXに用意されるオプションは数多く、長期テスト車にも少なくない量が盛り込まれている。トリムグレードはMスポーツだ。

パノラミック・グラスルーフを獲得できるスカイラウンジ・パッケージは、3500ポンド(約58万円)。無数のカメラが追加されるテクノロジープラス・パッケージは、5000ポンド(約83万円)なり。

BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

深みのあるアベンチュリン・レッドIII塗装は1890ポンド(約31万円)。ボディトリムがブロンズカラーになる、チタンブロンズは550ポンド(約9万円)。モノトーンではない、新鮮味のある色の組み合わせだと思う。

3900ポンド(約64万円)のコンフォートプラス・パッケージには、座り心地のいいスポーツシートも付いてくる。心が躍るようなiXが、一層快適になる。

インテリアにも唸らされる。視覚的に心地よく、触り心地の柔らかい、高品質な素材で内装が仕立てられている。全体的なコーディネートも素晴らしい。操作系はタッチモニターへ集約されておらず、実際に押せるボタンやノブが残されている。

ワクワクする、といった表現は今後も何度か用いるだろう。イチから開発されたBEVとして、既存の枠を超えた内容だからだ。従来とは異なるアプローチで設計され、BEVのベンチマークといえる完成度にもある。

今後しばらくはBEVの初期の傑作として、何度も振り返る存在になるだろう。長期テストを通じて、そのワクワクを1つづつ体験していきたい。

セカンドオピニオ

2022年初頭の試乗で感心させられたのが、従来の型を破ったといえる内容だった。スタイリングは美しいと感じないにしても個性的であり、大きな高級車の形式張った重々しさを適度に軽減させている。

数時間も乗れば、iXへ自然と強い好感を抱くはず。幅広い能力を備え、堅苦しくない印象を抱くと思う。静かでしなやかで穏やかな乗り心地は、日常的な移動手段として素晴らしい。 Matt Saunders(マット・ソーンダース)

BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

テストデータ

テスト車について

モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万4825ポンド(約1564万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約1929万円)

オプション装備

テクノロジープラス・パッケージ:5000ポンド(約83万円)
コンフォートプラス・パッケージ:3900ポンド(約64万円)
スカイラウンジ・パッケージ:3500ポンド(約58万円)
インテリアデザイン・スイート I アミド:3250ポンド(約53万6000円)
ビジビリティ・パッケージ:2000ポンド(約33万円)
アベンチュリン・レッドIII メタリック塗装:1890ポンド(約31万2000円)
クリア&ボールド・インテリア・アプリケーション:1050ポンド(約17万3000円)
バイカラー・エアロ ・アルミホイール:1000ポンド(約16万5000円)
チタンブロンズ・エクステリアトリム:550ポンド(約9万円)

テストの記録

航続距離:515km
電費:5.4km/kWh
故障:なし
出費:なし

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト BMW iXの前後関係

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