【詳細データテスト】ポルシェ718ケイマン GT3譲りの6気筒 秀逸なシャシー ポルシェの到達点

公開 : 2022.09.24 20:25  更新 : 2022.10.04 11:57

982ケイマンの最強仕様は、ポルシェの傑作に数えられるエンジンをドライバーの近くに置き、サーキット志向でありながら公道上でも苦痛ではないシャシーを備え、純粋な速さでクラストップではないものの、楽しさは抜群です。

はじめに

1999年に登場した996世代の911GT3以来、GTのサフィックスを持つハードコアなポルシェをすべて手がけてきたアンドレアス・プレウニンガーは、今回のテスト物件を「ワイルドなチャイルド」と表現する。

911のGT2やGT3が見せてきた凶暴さになじんできたなら、そう呼びたくなる感覚が腑に落ちるだろう。とはいえ、多くの説明がいらないというわけではない。

テスト車:ポルシェ718ケイマンGT4 RS
テスト車:ポルシェ718ケイマンGT4 RS    MAX EDLESTON

今回のロードテストでは、ヴァイザッハにおける最高レベルの最新モデル群が揃えられなかったものを別にすれば、ベンチマークとなるような数字を記録することになる。いまもっとも期待を集める新型ポルシェが、いかに速く、いかにうるさく、いかにスペシャルかを正確にお伝えするつもりだ。そのクルマは、718ケイマンGT4 RSだ。

ケイマンをもとにした、サーキット向けスーパーカーに近い領域のマシンの開発計画は極秘裏に進められたため、経理担当者の横槍で興を削がれることなく実現した。その原動力は、本能的な直感と純粋な好奇心だけではなく、マニアックなエンジニアたちの情熱でもある。

このGT4 RSを生み出したひとびとは考えたことだろう。「ケイマンにGT3のエンジンを積めるだろうか」と。「積むべきだろうか」という意見は、実走プロトタイプが完成するまで真剣に考えることがなかったと、プレウニンガーは認めている。

そして、ヴァイザッハの意思決定者たちは、その存在と走りに納得した。これはショールームに並べるべきクルマだ、と。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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