世界一有名な自動車広告スローガン 14選 心に刺さる名フレーズ特集
公開 : 2022.10.01 18:05
BMWの現在
「The Ultimate Driving Machine」は現在も使用されており、BMWの英語版ウェブサイト(米国や英国向け)を訪れると、たいてい最初に目にするのはこのスローガンである。たびたび、海外で物議を醸した「Joy」(2009年に初めて使用)などのシリーズが登場することもあったが、いずれも短命に終わっている。「Joy」はあまり受けが良くなかったようで、2012年に廃止されると、再び「Ultimate」が使われ始めた。
日本で有名なのは、「Freude am Fahren(駆けぬける歓び)」というスローガンだろう。英語圏でも同じ意味合いの「Sheer Driving Pleasure」が使われており、「Ultimate」と並ぶBMWの二大スローガンといえる。
BMWは2018年ごろから、英語圏の市場でもドイツ語を用いて、ドイツらしさをアピールするようになったと思われる。そのため、しばしばBMWの正式な社名である「Bayerische Motoren Werke」が使われることもある。
いずれにせよ、「究極のドライビングマシン」で「駆けぬける歓び」という、一貫性のあるスローガンが使われているのは素晴らしいことだ。半世紀近く前に作られた文言でありながら、今なお鮮烈に感じられるのは、マーケティングの成功と言えるだろう。
クライスラー:Imported From Detroit(デトロイトからの輸入車)
94年の歴史を持つクライスラーの最も有名なスローガンが、2011年に作られたものだというのは、何度も経営危機に陥った同社の不手際を暗示しているといえるかもしれない。
それにしても、「Imported From Detroit(デトロイトからの輸入車)」というスローガンは刺激的だ。多くの米国人は、自国の自動車産業の栄光と衰退を体現するモーターシティを、犯罪や麻薬にまみれた異国の地と感じているということを、このスローガンは暗に揶揄しているのだ。
「Imported From Detroit」は、デトロイトのラップスター、エミネム(写真)が出演する新型クライスラー200のテレビCMもあって、大いに注目を集めた。広告代理店のWieden + Kennedy社が制作したこのCMは、クライスラーとその生まれ故郷の最近の窮状を、エミネムの曲「Born of Fire」をキーに、軽快に表現している。そして、CMの最後でエミネムは、「これがモーターシティだ、そしてこれが俺たちのしていることだ」と訴える。