世界一有名な自動車広告スローガン 14選 心に刺さる名フレーズ特集
公開 : 2022.10.01 18:05
フォルクスワーゲンの現在
フォルクスワーゲンは、「ドイツ車」というものに対するステータスや信頼性、性能、技術水準などの面で、世界中の消費者が抱くポジティブなイメージに支えられてきた。これは、他のドイツの自動車メーカーも同様だろう。
そのため、21世紀に入ってからもこのブランド力を利用し、2008年からは米国をはじめ多くの英語圏市場で「Das Auto」というスローガンを使っている。これは、ドイツ語で文字通り「クルマ」を意味する言葉であり、しばらくは成功とみなされていた。そう、しばらくの間は。
2015年、いわゆるディーゼルゲート事件が発生し、同社の評判に甚大なるダメージを与えてしまった。これにより、「Das Auto」のやや帝国主義的なスローガンが不吉な空気を帯び、スキャンダルが発覚してからわずか3か月で使用を取りやめることになった。
現在、フォルクスワーゲンのロゴの下に書かれているのは、すばり「Volkswagen」である。2019年のフランクフルト・モーターショーでは、新しく簡素なロゴとブランド・アイデンティティを発表。新たなスタートを切ろうとしている(写真)。
ボルボ:For Life
この驚くほどシンプルでスマートなボルボ・カーズのスローガンは、フォードが同社を買収した直後の1999年に初めて使用されたものだ。このスローガンの秀逸な点は、ボルボが安全性、耐久性、オーナーの生活にフィットする能力、他のブランドを買う必要がないこと(理論的には)、さらには環境への配慮を重視していることを、「For Life」というたった2つのシンプルな単語で表現しているところである。
「For Life」を日本語に直訳するなら「一生」となるが、スローガンとして意訳するなら、「生きるために」といったところだろうか?
フォード傘下の11年間で、ボルボはモデルレンジを拡大し、2002年には大型SUVであるXC90を発売して大ヒットを飛ばした。GMがスウェーデンのサーブを所有し、消滅させるよりははるかにマシな結果を残している。
ボルボの現在
「For Life」は、ボルボ・カーズが2010年に中国のジーリー(吉利汽車)の傘下に入ってからも、20年近くメインスローガンとして掲げられてきた。ジーリーの資金力を活かし、ボルボはモデルレンジの若返りと拡大を図り、ドイツの高級車ブランドに対抗するライバルとして台頭してきている。
それに伴い、ボルボは2018年に新しいスローガンと社是である「Freedom to Move(モビリティの自由)」を発表した。ボルボのホーカン・サミュエルソンCEO(当時)は、「Freedom to move……それは、まさにクルマの美点です。いつでも好きな場所に移動することができますが、それはもちろん、持続可能で、パーソナルで、安全なものでなければなりません」と語っている。