輝きを増すマイチェン BMW 3シリーズ M340i xドライブへ試乗 3.0L直6ターボ継続 後編

公開 : 2022.09.26 08:26

BMWの主力車種、3シリーズがモデル中期のマイナーチェンジ。成功作の輝きは一層増したと、英国編集部は評価します。

3シリーズに共通する秀でた才能

モデル中期のマイナーチェンジを受けた、G20型のBMW 3シリーズ。その仕上がりは、われわれの期待を裏切ることはなかった。

今回の試乗はドイツ南西部、ミュンヘンから北に移動したレーゲンスブルクで実施されたのだが、アウトバーンから郊外のカーブが続く道まで、優れた才能を知らしめる走りを披露してくれた。

BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)
BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)

この秀でた才能は、どの3シリーズにも共通している。同じ日にステーションワゴンの320d ツーリングを運転する機会もあったが、こちらも首尾一貫して素晴らしかった。

とはいえ、M3を除く3シリーズでベストといえるのは、やはりM340i xドライブのサルーンだろう。洗練された走行フィールとドライバーを惹き込む操縦性との、見事なバランスにまとまっている。

デフォルトのドライブモード、パーソナル・モードでも、M340iは適度に引き締まり反応が小気味いい。ステアリングホイールはやや軽めな印象ながら、感触には優れフロントタイヤとのコミュニケーションが取りやすい。

高速域では、スポーツ・モードがドライバーの自信を高める。ステアリングホイールは重さが増し、意欲的な走りを受け止めてくれる。

xドライブと呼ばれる四輪駆動の設定も巧妙。タイトコーナーから鋭い脱出を試みると、わずかにオーバーステアの仕草を見せながら速度を増していく。3シリーズらしい機敏で流れるような身のこなしを失うことなく、コーナーでの安全性を向上させている。

最高のエンジンだと実感するストレート6

ステップトロニックとBMWが呼ぶ8速ATは、スポーツ・モードで反応が素早くなる。シフトパドルでドライバー自ら変速すれば、走る喜びは一層増加し、操縦性も引き上げられる。マニュアル操作時は、レブリミットに当たっても勝手に変速しない制御もイイ。

スポーツプラス・モードへ切り替えると、トラクション・コントロールの介入が控えめになる。エグゾーストノートにはバックファイヤーの破裂音が加わり、刺激を音響的にも強めてくれる。

BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)
BMW 3シリーズ M340i xドライブ(欧州仕様)

BMW自慢の直列6気筒ターボエンジンは、相変わらずの優秀さ。たくましく滑らかな中回転域のトルクで、圧倒されるような走りを享受できる。峠道でレブリミットまで回しても、低回転域で市街地を流しても、最高のエンジンだと実感できるはず。

3シリーズには直列4気筒ターボやハイブリッドも用意され、それぞれ悪い選択肢ではない。だが、頂点に君臨するのはストレート6。ラグジュアリー・サルーンを求める人から、走りに拘る熱い気持ちを持つ人まで、M340iはしっかり応えてくれる。

実際、穏やかな気持で家路を急ぐような場面でも、M340iは上級な4ドアサルーンとしての仕事をしっかりこなす。エンジンは静かに回転し、ATはシームレスに変速を繰り返す。ゆとりのある車内は、リラックスした空間になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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