頂点飾る新グレード ランドローバー・ディスカバリー D300 メトロポリタンへ試乗

公開 : 2022.10.20 08:25

現在のランドローバーでは身近な位置にある、7シーターSUVへ追加された上級グレードを英国編集部が評価しました。

魅力を巧みに引き上げた上級グレード

7シーターのランドローバー・ディスカバリーに、お高いグレードが追加された。英国価格は直6ガソリンで360psのP360が7万4070ポンド(約1222万円)、直6ディーゼルで300psのD300で7万5475ポンド(約1245万円)と、喜ぶ人は限られそうだが。

とはいえ、ディスカバリーの魅力が巧みに引き上げられている。今回試乗したのは、そのメトロポリタン・エディションのD300だ。

ランドローバー・ディスカバリー D300 メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー D300 メトロポリタン・エディション(英国仕様)

フロントグリルはブライト・アトラスと呼ばれる専用品が与えられ、バンパーはハクバ・シルバーのトリムで飾られる。アルミホイールはグロス・グレーのダイヤモンドカットで、22インチと大きい。ブレーキキャリパーはブラックに塗られる。

インテリアでは、スライディング・グラスルーフとヘッドアップ・ディスプレイ、ヒーター付きステアリングホイール、ワイヤレス・スマートフォン充電機能、4ゾーン・エアコンなどが標準装備。ダッシュボードなどはチタン・メッシュトリムで彩られる。

試乗車のシートはライト・オイスター(アイボリー)とエボニー(ブラック)というツートーンのレザーで仕立てられていた。ゆとりある車内に、適度なメリハリを生んでいる。オプションで、エボニーとキャラウェイ(ブラウン)の配色も選べるそうだ。

2021年の改良でシャシーもアップデート済み

大きいボディサイズなだけあって、実際に車内空間は広々している。フロントシート側は広範囲に角度調整が可能で、助手席との距離は遠い。2列目には大柄な大人がゆったり座れ、3列目にも2人の子供がのびのびと座れる。

ディスカバリーは2021年にアップデートを受けており、車内で目を引くのが、大きなタッチモニターで稼働するインフォテインメント・システム。モニターパネルは緩やかにカーブし、ハイテクな印象ながら優雅なインテリアへ見事に溶け込んでいる。

ランドローバー・ディスカバリー D300 メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー D300 メトロポリタン・エディション(英国仕様)

ピヴィプロという名の、ソフトウェア自体もシンプルでわかりやすい。今回は1週間ほどお借りしたが、操作で迷うことはなかった。

また、2021年にはシャシーにも大幅な改良が施されている。ライバルに当たるアウディQ7BMW X5などと比較して、オンロードでの見事な質感と、オフロードでの抜群の走破性を獲得している。

スポーティな印象ではQ7やX5の方が勝るかもしれない。だが、郊外の一般道に続くカーブを滑らかに旋回していく素振りは、非常に印象的。全高の高いプロポーションを考えると、本当に驚かされる。

一方で高速道路での落ち着いたマナーは、まさに長距離クルーザー。路面のうねりを優しくなだめこみ、橋桁の継ぎ目や舗装のつぎはぎを均すように処理してくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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