M仕立てのFRホットハッチ BMW M135i 3.0L直6ターボで320ps 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.10.22 08:25
お手頃価格で購入できるFRホットハッチ
M135iの車重は1545kgと、後輪駆動の小さなハッチバックとしては重めだが、前後の重量配分は52:48と良好。優れたシャシーバランスで、重さを感じさせない身のこなしを披露してくれる。限界領域での扱いにくさもない。
一般道の速度域でも、クルマを運転する楽しさへ充分浸れる。腕利きのドライバーを満たす余裕もある。ちなみに、標準では異なるリアのタイヤ幅をフロント側へ合わせ、テールスライドしやすい特性を楽しむドライバーも英国にはいるようだ。
BMWらしくインテリアは上品で、充分な大きさのセンターモニターも装備されていた。M社が仕上げた素晴らしいFRホットハッチをお手頃価格で購入するなら、今がチャンスといえそうだ。
新車時代のAUTOCARの評価は
スタイリングは、BMWのMモデルには見えない。写真では確かにそうだ。しかし、実用性に優れた1シリーズの魅力を維持しながら、より強い輝きを放つ能力が与えられている。それが、見事に機能している。
驚くようなパワーを獲得し、驚異的な動的能力を実現している。それでいて、高すぎない価格設定には訴求力がある。素晴らしいドライバーズカーといえるだろう。(2012年4月18日)
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
事故時の修復が完璧でないと、錆びる可能性がある。ボディパネルのズレがないか、フロントフェンダー・パネルを固定するボルトや、ウインドウ周辺のラバーが不自然に新しくないか確かめる。
エンジンルームや荷室フロアのパネルが、波打っていないか観察する。ヘッドライトの年式がモデルの年式と一致するかも確かめたい。
エンジン
メーターパネル内のオンボード・コンピューター診断を確かめる。ウォーターポンプやサーモスタットは不具合を起こしがち。点火コイルも同様。
高速道路などで高回転域まで回す機会が少なく、走行距離が長いクルマの場合は、エンジン内部にスラッジなどが蓄積しがち。点火系にも負荷が掛かる。
トランスミッション
6速MTは冷間時にシフトフィールが悪くなる。フルードが温まるにつれて改善するはず。8速ATは密閉構造ながら、10万km程度でフルードとフィルターを交換しておくと安心。
サスペンションとブレーキ、ホイール
前後のベアリングが破損する場合がある。フロントサスペンションのボールジョイントは摩耗しやすい。
攻め立てた運転を繰り返すと、スタビリティ・コントロールが介入してリアブレーキを摩耗させる。過度に減っていないか確認する。
試乗時は、ステアリングホイールへ異常な振動が伝わってこないかも確かめたい。ホイールが変形していることも。タイヤの残り溝やブランド名もチェックポイント。
インテリア
オプションがふんだんに選ばれているクルマは特に、すべて機能するか調べる。ヘッドアップ・ディスプレイやiドライブは故障しがちだが、修理は安くできない。