パリ・モーターショー2022 中国勢の猛攻、ジープの新型EVなど 見どころ先取り

公開 : 2022.09.28 18:05  更新 : 2022.10.07 17:33

長城汽車

中国の長城汽車は、EVブランドとしてオーラ(欧拉)を立ち上げ、欧州に新型EV「ファンキーキャット」を導入しようとしている。また、パリ・モーターショーでは、「コーヒー01」を筆頭に、ウェイ(WEY)ブランドで高級車市場に参入する計画も明らかにする見通しだ。

ウェイ・コーヒー01は、ガソリンエンジンと2基の電気モーターを組み合わせたPHEVで、システム総出力475psを誇る高級SUVである。40kWhのバッテリーを搭載し、電気のみで150kmの走行が可能とされている。

長城汽車はウェイ・コーヒー01(写真)などを欧州市場に持ち込む。
長城汽車はウェイ・コーヒー01(写真)などを欧州市場に持ち込む。

ジープアベンジャー

ジープ・アベンジャーは、ここ数年で最大級の発表となるかもしれない。DS 3オペルモッカなどに採用されているステランティスのECMPプラットフォームを採用する、ジープ最小の電動SUVである。レネゲードより小型というサイズ感と、何よりBEVであるという点で、大いに注目を集めるだろう。

二輪駆動と四輪駆動が設定され、航続距離は400kmを見込む。パリでは、ハイブリッド版も展示される予定で、欧州向けの価格も明らかになると思われる。2023年前半に発売予定で、日本への導入計画もある。

ジープ・アベンジャーは日本にも導入予定
ジープ・アベンジャーは日本にも導入予定

ジープ・グランドチェロキー4xe

今年初めに北米でV6とV8のガソリンエンジンを搭載して発売されたグランドチェロキーが、花の都パリに登場。グランドチェロキーとしては初めて、2.0Lの4気筒ターボに2基の電気モーターを組み合わせたPHEV「4xe」となる。

合計出力380ps、最大トルク65kg-mを発揮するパワフルなモデルで、400V 17kWhバッテリーを搭載。電気のみの航続距離は40km、燃費は30km/l弱と謳われている。

ジープ・グランドチェロキー4xe
ジープ・グランドチェロキー4xe

メルセデスAMG C 63

従来のV8エンジンから、2.0L 4気筒のプラグインハイブリッドに置き換えるメルセデスAMG C 63。これは、1つの時代の終わりを象徴するモデルと言えるだろう。

しかし、それは必ずしも悪いことではない。量産4気筒エンジンで最強とされるユニットに、強力な電気モーターを組み合わせることで合計出力680psを発揮するのだから、パワーに不足はない。

メルセデスAMG C 63
メルセデスAMG C 63

ただし、2112kgという車両重量には留意したい。ライバルとなるBMW M3 xドライブの車両重量は1780kg。電動化による重量デメリットをどのように克服するか、AMGのお手並み拝見といったところか。

パリでは、セダンとステーションワゴンの両車が舞台に上がると予想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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