試作に消えたシューティングブレーク プジョー504 ブレークリビエラ カブリオレで再現 後編
公開 : 2022.10.15 07:06
地中海沿いの上質な暮らしの香り
504 カブリオレは残存数が少なく、これほど程度が良いと近年では5万ポンド(約825万円)はくだらない。メルセデス・ベンツSLのパゴダルーフの半額と考えれば、高すぎるとはいえないだろう。
ソフトトップは開閉しやすく、しなやかな乗り心地に現代生活で困らない装備が与えられ、504 カブリオレはより近づきやすいクラシックカーだと思う。美しいイタリアン・スタイリングも大きな魅力だ。
今回のトリオで思わず視線を向けてしまうのは、やはりブレークリビエラ。当時のマルティニの広告で切り取られていたような、地中海沿いの上質な暮らしの香りが漂っている。
スマートで適度にスポーティで、使い勝手も良い。ルイビトンのケースを何個か積んで、マリーナに停めたヨットまで走るような、そんなイメージが湧いてくる。太陽の日差しが良く似合う。
ピニンファリーナは最近になってシューティングブレークの新しいコンセプトカーを提案した。今回のブレークリビエラ・レプリカの製作にも、関心を示しているとか。
彼らも、往年のワンオフ・ショーモデルへ巨大な情熱が注がれたことを、光栄に感じているのではないだろうか。私財が投じられ、見事な完成度で再び日の目を見るこになったのだから。
協力:HCクラシックス社