試作に消えたシューティングブレーク プジョー504 ブレークリビエラ カブリオレで再現 後編

公開 : 2022.10.15 07:06

地中海沿いの上質な暮らしの香り

504 カブリオレは残存数が少なく、これほど程度が良いと近年では5万ポンド(約825万円)はくだらない。メルセデス・ベンツSLのパゴダルーフの半額と考えれば、高すぎるとはいえないだろう。

ソフトトップは開閉しやすく、しなやかな乗り心地に現代生活で困らない装備が与えられ、504 カブリオレはより近づきやすいクラシックカーだと思う。美しいイタリアン・スタイリングも大きな魅力だ。

プジョー504 ブレークリビエラ・レプリカ(1972年式カブリオレ・ベース)
プジョー504 ブレークリビエラ・レプリカ(1972年式カブリオレ・ベース)

今回のトリオで思わず視線を向けてしまうのは、やはりブレークリビエラ。当時のマルティニの広告で切り取られていたような、地中海沿いの上質な暮らしの香りが漂っている。

スマートで適度にスポーティで、使い勝手も良い。ルイビトンのケースを何個か積んで、マリーナに停めたヨットまで走るような、そんなイメージが湧いてくる。太陽の日差しが良く似合う。

ピニンファリーナは最近になってシューティングブレークの新しいコンセプトカーを提案した。今回のブレークリビエラ・レプリカの製作にも、関心を示しているとか。

彼らも、往年のワンオフ・ショーモデルへ巨大な情熱が注がれたことを、光栄に感じているのではないだろうか。私財が投じられ、見事な完成度で再び日の目を見るこになったのだから。

協力:HCクラシックス社

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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