2022年版 予算度外視で考える超高級車 ベスト10 世界一のラグジュアリー

公開 : 2022.10.02 18:05

5. ロール・スロイス・カリナン

ロールス・ロイスがSUVを導入したのは、ほかでもない、全路面対応で家族向けの実用的なモデルがあれば非常に喜ばしいという顧客の要望があったからこそである。従来のロールス・ロイスよりも日常的に使用しやすい新しいモデルレンジとして、カリナンは2018年に登場した。

ロールス・ロイスがかなりのリスクを負って発売したのは間違いないが、実際、そのデザインに対して各方面から十分な批判を浴びている。しかし、同社の戦略は間違っていなかった。カリナンを買わなかった人たちが反発したところで、商業的な成功の妨げにはならないだろう。

5. ロール・スロイス・カリナン
5. ロール・スロイス・カリナン

カリナンでのカーライフには、気に入らない点と同じくらい、気に入ることがたくさんある。真のロールス・ロイスであり、そのダイナミックな強さの中に、卓越した機械的洗練性、文句のつけようのない乗り心地、優れたドライバビリティがあるのだ。

車高調整機能付きエアサスペンションとBMW由来の四輪駆動システムにより、多くのオーナーは一生使わないであろうオフロード性能を備えている。牽引能力も現在2.6トン程度だが、近いうちに3.5トンに引き上げられる予定だ。このクルマよりも高価なスピードボートを引っ張るには十分なパワーだろう。

6. ベントレーベンテイガ

AUTOCAR英国編集部は、ベンテイガの全モデルを試乗評価している。2016年に市場に投入された10万ポンド超のスーパーSUVの第一弾として、まずW12エンジン搭載車について、1つ2つ注意点を挙げつつ高く評価した。続いて2017年、アウディ由来のターボ付きV8ディーゼルが導入されたとき、W12ガソリンと変わらないトルクを発揮しながら、扱いやすさが増しているとしてさらに高い評価をつけた。

そして2018年、イメージの悪化を避けるべくディーゼルエンジンが欧州ラインナップから外れ、決定版と思われていたモデルが姿を消してしまった。ラインナップは同年にV8ガソリンで増強され、2019年にはPHEVも登場。また、2020年には最高出力635psのベンテイガ・スピードがデビューを飾った。

6. ベントレー・ベンテイガ
6. ベントレー・ベンテイガ

ベンテイガの素晴らしくゴージャスなインテリア、トルクフルでうねるようなパフォーマンス、そして威風堂々とした包み込むような高級感は、このクラスでも際立っている。こうした素質は、青臭い「SUVトレンド」に反発する皮肉屋を味方につけるのに十分強力かもしれない。

ロールス・ロイス・カリナンほどの快適な乗り心地や静粛性はなく、その代わりにスポーティを強調するドライビング・エクスペリエンスとなっている。しかし、妥協点というとそのくらいで、時折、高速走行中にゴツゴツとした段差に気が付く程度だ。高級車ばかり乗っている人であっても、不足を感じない可能性は十分にある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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