好調ゆえにあと少しを望みたい トヨタ・カローラ・クロスへ英国試乗 熱効率はトップ
公開 : 2022.10.27 08:25 更新 : 2022.10.27 11:55
現実環境でのエネルギー効率ではトップ
英国へ導入されるカローラ・クロスが積むハイブリッドには、2種類がある。どちらも2.0L 4気筒ガソリンエンジンを主軸とし、そこに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合で196psを発揮する前輪駆動が1つ。
もう1種は、さらにリアアクスル側に41psの駆動用モーターを追加した四輪駆動。0-100km/h加速の時間は、前輪駆動でも変わらず8.1秒がうたわれる。eCVTがエンジンを唸らさせるが、活発には加速していく。
燃費は良く、今回は市街地や高速道路などを複合的に運転し、かなり条件が悪かったにも関わらず19.5km/Lという数字が得られた。現実環境で優れたエネルギー効率を発揮させる技術力は、トヨタがトップだろう。
ハッチバックのカローラが備える動的能力の特長は、カローラ・クロスにも一部が継承されている。サスペンションは、路面の小さなつぎはぎや大きなくぼみを巧みに処理し、乗り心地は良好。グリップ力も高く、ステアリングフィールにはダイレクト感がある。
一方、日常的な利用で感じる、操る魅力は薄められた印象。サイズが大きくなったことに伴い、特に姿勢制御の面で動的な輝きは鈍ってしまった。目には見えない、運転する楽しさとも結びつく要素といえる。
好調なトヨタだけに、もう少しを望みたい
車内にはゆとりがある。頭上空間は広く、荷室容量はハッチバック版カローラの313Lから大幅に拡大し、487Lもある。荷室のフロアは広く、開口部も大きく、荷物の積み降ろしは容易にできそうだ。
インテリアのデザインは、カローラの兄弟モデルであることが明確。ダッシュボードは登場から若干の年月が経ったことを匂わせるものの、タッチモニターと実際に押せるハードボタンとのバランスは良好。各機能の操作はしやすい。
近年のトヨタ車は、大小のクラスに関係なく、優れたルックスと運転の楽しさを持ち合わせている。1つの黄金期のような好調さを感じるだけに、カローラ・クロスの仕上がりにはもう少しを望みたいところ。
もし英国への導入が見送られても、こちらのカローラなら諦めがつくかもしれない。GRカローラとは違って。
トヨタ・カローラ・クロス 2.0ハイブリッドFWD(欧州仕様)のスペック
英国価格:未定
全長:4460mm
全幅:1825mm
全高:1620mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:18.5km/L
CO2排出量:122g/km
車両重量:1505kg
パワートレイン:直列4気筒1987cc自然吸気+永久磁石同期モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:−
最高出力:196ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:eCVT