廃車探しの旅 フランス編 心に残る28台のスクラップたち レストアできそうな個体も

公開 : 2022.10.08 06:05

フォード・タウナス

この逆さまのフォード・タウナス(TC2)は、骨格以外にあまり残っていないことから、部品取りとして使われたものと思われる。奇妙なことに、位置からして、この場所で部品を剥がされたようだ。トラクターや四輪駆動車などで反転させれば、リアアクスルなど手が届きにくいパーツも安全に取り外すことができる。

フォード・タウナス
フォード・タウナス

ラーダ2102

廃車(または廃車の部品)を特定するために、何時間もかけて手がかりを探すことも珍しくない。今回の場合、当初はフィアット124エステートなのかラーダ2102なのか、よくわからなかった。

ラーダ2102はフィアット124をベースにしており、見た目も中身もほぼ同じだったため、何十年も河川敷で朽ち果てていた個体では、ほとんど見分けがつかない。今回は、エンジンルームにラーダのプレートがあることに気づき、予想以上に早く調査を終えることができた。

ラーダ2102
ラーダ2102

オペル・カデット

このオペル・カデットBのオーナーは、牛の囲いを終の住処に選んだ。傷だらけで凹みも多く、決して楽な人生ではなかったことが伺える。フロントガラスに貼られた登録ステッカーは、1988年以来、道路を走っていないことを物語っている。特にアルプスの奥深く、人里離れた場所に駐車されていることから、その後、移動したとは考えにくい。しかも、4つのドアはすべてロックされている。

オペル・カデット
オペル・カデット

プジョー204

プジョー204の香りがするミネラルウォーターはどこから来るのだろう?気になって調べてみたところ、アルプスの小さな小川がその源であることがわかった。冗談はさておき、この204は、小川の真上に積まれた鉄くずの山から落ちてきたような格好で、その場に留まっていた。1960年代に製造されたものだが、最後に走ったのはいつなのか、その痕跡はもう残っていない。

プジョー204
プジョー204

プジョー205

比較的新しい部類に入る車種でも、古いクラシックカーと一緒に野原や納屋に放置されることが多い。1980年代に製造されたこの2ドアのプジョー205は、衝突事故でフロントを損傷した後、部品取り車として扱われたようだ。その後、長い間手をつけられていない。

プジョー205
プジョー205

プジョー304

ハイキングコースと川の間に埋もれていた、へこんで錆びたルーフだけが確認できるこのクルマ。掘り起こすまでもなく車種を特定できた。リアハッチのヒンジから、プジョー204か304のどちらかであることがわかり、ボディに残されたグリーンのペイントのかけらから後者であることが確認された。1976年から1980年の間に製造されたものである。

プジョー304
プジョー304

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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