廃車探しの旅 フランス編 心に残る28台のスクラップたち レストアできそうな個体も

公開 : 2022.10.08 06:05

プジョーJ7

1970年代のプジョーJ7の両側面に貼られた色褪せたステッカーから、一時期、窓ガラスの施工を行う会社が所有していたことが判明。最も近い隣人が蜂の巣であり、広い貨物室がスズメバチに占領されているのは、ちょっと皮肉な話だ。

プジョーJ7
プジョーJ7

ルノー4CV

プロヴァンスを離れ、パリに小旅行。路上駐車が禁止された今、古いクルマを見かけることはほとんどないが、街の地下駐車場には数多くの逸品が隠されている。

なかでも、1940年代後半から1950年代前半に製造されたこの4CVは、20年以上も日の目を見ていない。完全無欠のレストアにぴったりな個体で、しかも非売品。オーナーは定期的に駐車場代を払い続け、何度も手放してほしいという申し出を断っているそうだ。

ルノー4CV
ルノー4CV

ルノー4

再びプロヴァンスへ。1961年から1994年まで製造されたルノー4は、大量に生産され、大量に破壊された。廃車制度、致命的な錆の問題、無慈悲なオーナーによって、その数は激減してしまった。

そして、2010年代後半までは、街中で見たいとも思わない、捨てられていくクルマと考えられていた。それゆえ、1980年代前半に製造されたこの青い個体も、畑に放置されていたのだろう。本国では価値が上がってきており、レストアして再び走らせることも可能だ。

ルノー4
ルノー4

ルノー4 F4

実は、編集部はこのルノー4 F4の前を何年も通っていたのだが、裏の家が売りに出されるまで、じっくり見ることはなかった。電話で問い合わせ、その家に興味があるのではなく、このクルマに興味があることを伝えて「見学」することに。

1986年モデルで、やや傷みが激しく、怪しげな(危険なほど)改造が施されているが、思ったほど車体が錆びていないことに驚いた。果たして、このクルマはレストアできるのか?AUTOCARの英国編集部が購入したので、機会があればお知らせしよう。

ルノー4 F4
ルノー4 F4

ルノー12

アルプスの奥地にある小さな町が、1980年代に12台ほどの廃車を集め、それを使ってダムを建設したという話を聞いた。数年後に崩壊したが、地元の人によると、何台かはまだ残っているとのことだった。

長いドライブと長いハイキングを経て、編集部はこの1970年代のルノー12を目の当たりにした。ダム建設に使われた他のクルマよりはるかに保存状態がいい。

ルノー12
ルノー12

ルノー16

1999年を最後にエンジンを停めたこのルノー16は、事故でフロントが破損した後、納屋の裏に駐車されていた。ハンドルなどの部品が取り外されている。

アルプス地方は冬になるとものすごい雪が降るのだが、初めて訪れたときはルーフまで雪に埋もれていたため、見逃してしまった。この16だけでなく、すぐ近くにルノーのエスタフェもある。

ルノー16
ルノー16

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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