廃車探しの旅 フランス編 心に残る28台のスクラップたち レストアできそうな個体も

公開 : 2022.10.08 06:05

ルノー18

クルマ探しは、畑の端から始めること。「自動車考古学」を志す人へのアドバイスだ。畑の端というのは、農家がしばしば石や不要な建材、パレット、金属くずなどを運んでいる場所である。

1970年代に作られたルノー18は、農家の廃棄物の山でその生涯を終え、ゆっくりとブラックベリーの茂みに飲み込まれようとしている。シルエットはほぼ維持されて、事故に巻き込まれたようには見えないが、長い間風雨にさらされていたため、内装はあまり残っていないようだ。

ルノー18
ルノー18

ルノー・ドーフィン

このルノー・ドーフィンは、錆びつき、へこみ、フレンチアルプスの僻地にゆっくりと沈んでいっている。クルマというより抜け殻だが、自動車考古学的な調査により、製造が始まった1956年3月から1957年5月の間に出荷された初期型であることが判明している。

どうやって調べたか?藪をかき分けると、4CVのようなスチールホイールに対応する5本のハブを備えていることがわかる。ルノーは製造開始から1年ほどでこのハブを廃止し、3本ハブに変更した。

ルノー・ドーフィン
ルノー・ドーフィン

ルノー・フエゴ

このルノー・フエゴは、うまく底面を下にして「着地」している。1980年代のフエゴをアルプスの渓谷に捨てた人は、発見されないように、特定されないように、相当なエネルギーを注いだようだ。文明のある土地から何kmも離れており、登録に関連するプレートやステッカーはすべて取り外されている。

ルノー・フエゴ
ルノー・フエゴ

ルノー・モナカトル

編集部が旅先で見つけた最も古いクルマの1つが、このルノー・モナカトルで、おそらく1932年に製造されたものと思われる。アルプスの小さな町の廃屋に停まっていたもので、90年前のクルマとしては驚くほど良い状態である。

構造的にはほぼ完全な状態で、2分割のボンネットとガラスの一部が欠落しているだけで、重要な骨格部分は腐食していない。編集部はぜひフルレストアして道路に戻したいと思っているが、まだ所有者を突き止めることができていない。

ルノー・モナカトル
ルノー・モナカトル

シムカ1100

シムカが1100を発売したのは1967年。フォルクスワーゲン・ゴルフがデビューする7年前に、横置きエンジン、前輪駆動、4ドア、リアハッチを実現したモデルである。非常に革新的なクルマであったが、革新性だけでは生き残ることができなかった。

フロントガラスに貼られた登録ステッカーから、この1100が最後に走ったのは2006年であることがわかる。一見すると、バッテリーを交換し、ガソリンを入れれば火が入りそうな雰囲気。しかし、走行可能な状態にするのは大変な作業である。1100はよく錆びるクルマだが、例に漏れず、この個体も錆びだらけだった。

シムカ1100
シムカ1100

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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