富士モータースポーツミュージアム 10/7オープン 世界初の展示も スペシャリスト上野和秀が解説

公開 : 2022.10.06 05:45  更新 : 2022.10.06 13:48

富士モータースポーツミュージアム&ホテルがオープン。メーカー10社が連携した展示など、その魅力と楽しみ方を解説します。

自動車メーカー10社連携は世界初

注目を集めている富士モータースポーツミュージアムが、2022年10月7日に富士スピードウェイホテルと同時にオープンする。

トヨタ自動車によるモータースポーツ文化を楽しめる多彩な施設の集合体である「富士モータースポーツフォレスト」の一環として、ミュージアムが設けられたもの。

ル・マン24時間レースをイメージしたブースが設けられた(2階奥)。
ル・マン24時間レースをイメージしたブースが設けられた(2階奥)。    上野和秀

コンセプトは「モータースポーツがクルマを鍛え、進化させた熱い歴史をたどる」。モータースポーツ・ファンのすそ野を広げ、文化の醸成に寄与するとともに地域振興も目指す。

ミュージアムは富士スピードウェイホテルの1~2階に位置し、130年にわたるモータースポーツの歴史を約40台の各メーカーが製作したレーシングマシンを通して辿る。

展示は大きく分けると「黎明期」「発展期」「未来へ」を柱とし、ここからカテゴリーごとに展示紹介される。国内外自動車メーカー10社の連携による常設展示は、世界初の試みとなる。

館内の様子 世界と戦った日本車も

1階の入口を入ると1899年製のパナール・エ・ルバッソールと1909年製トーマス・フライヤー・モデルL、1914年製スタッツ・ベアキャット・シリーズFが出迎えてくれる。

右のエリアでは戦前に作られた純レーシングモデルであるブガッティT35B、メルセデス・ベンツW25、サンビーム・グランプリが並ぶ。

2階へはエレベーターで移動。ドアが開くと8気筒エンジンを積むポルシェ904/8カレラGTSが出迎えてくれる。
2階へはエレベーターで移動。ドアが開くと8気筒エンジンを積むポルシェ904/8カレラGTSが出迎えてくれる。    上野和秀

さらに進むと日本車が現れる。ホンダがF1で初優勝したRA272と、幻のトヨペット・レーサーが目を惹く。豪州ラリーで入賞したダットサン210櫻号も見逃せない。

1階の1番奥は、1960年代に開かれた日本グランプリで活躍した日産R382とトヨタ7(5Lモデル)、そして日野コンテッサ900が存在感を放つ。

エレベーターで2階に上がると8気筒エンジンを積んだポルシェ904がお出迎え。その左側はミッレミリアやタルガ・フローリオなどの公道レースを紹介するコーナーとなる。

奥へ進むとWRCを戦った日本車が紹介され、その先はル・マン24時間レース、F1と続き、日本のレースで活躍したさまざまなカテゴリーのマシンが並ぶ。

黄色と緑のトヨタ2000GTは速度記録挑戦車。その横にはスープラのHSK製のドリフトマシンを展示。奥のエリアに並ぶアメリカで活躍したトヨタのマシンはここでしか見られない。

入館料不要 3階にはカフェとショップ

エントランスからミュージアムを横目にエスカレーターで3階に上がると、ホテルのフロントがある。その横にカフェとミュージアム・ショップが設けられている。

カフェとミュージアム・ショップは入館料不要で入ることができ、富士スピードウェイを一望できるテラスでコーヒーを楽しむことができる。

2019年GRスープラ・ドリフトHSKも展示される。モータースポーツ黎明期から現代まで国内外のさまざまなメーカーのモデルが見れる。
2019年GRスープラ・ドリフトHSKも展示される。モータースポーツ黎明期から現代まで国内外のさまざまなメーカーのモデルが見れる。    上野和秀

ミュージアムのチケットはウェブからオンラインで事前に日時指定で購入した方が優先入場できる。また事前購入の場合は大人で200円、小中高生は100円が割引となる。

見学してみてオープニングということから、幅広いコンテンツで展開されていた。しかし軽く触れているだけに、マニアックな視点で見るとちょっと物足りなさを感じた。

今後はカテゴリーやモデルで絞って深堀した企画展を定期的に開いていただき、何度も行きたくなるミュージアムとなることに期待したい。

富士モータースポーツミュージアムの基本情報

所在地:静岡県駿東郡小山町大御神645
開館時間:10:00~17:00
入館料:
大人 平日1600円/休祝日1800円
中高生 平日800円/休祝日900円
小学生 平日600円/休祝日700円

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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