世界一のジャンクヤード? 米アイダホ州の廃車売り場で宝探し 前編

公開 : 2022.10.09 06:05

オールズモビル・カスタムクルーザー(1981年)

1978年から1985年にかけて、オールズモビルはディーゼルエンジン搭載のカスタムクルーザーを製造していた。

V6とV8は当初人気が高く、1981年には31万台の販売を記録したが、信頼性の問題からその成功は長くは続かなかった。実際、その後30年にわたり、米国でのディーゼルエンジンの評判を落とすほどのダメージを与えてしまったのだ。やっと評判が回復してきたかと思われた矢先、今度はフォルクスワーゲンのスキャンダルが発覚してしまう……。

オールズモビル・カスタムクルーザー(1981年)
オールズモビル・カスタムクルーザー(1981年)

AMCペーサー(1979年)

「ガラスの卵」、「妊娠したグッピー」、「グラスモービル」、「ペースメーカー」、「車輪のついた金魚鉢」など、AMCペーサーには長年にわたって多くのニックネームがつけられてきた。先鋭的で好みの分かれるデザインだが、1975年から1980年の間に、28万人もの人々がこのクルマを手に入れた。

この個体のサイドにある落書きから、1979年に製造されたことがわかる。

AMCペーサー(1979年)
AMCペーサー(1979年)

キャデラック・カテラ

1996年から2001年にかけて10万台以下しか販売されなかったというキャデラック・カテラのことは、知らなくても無理はないだろう。ドイツのゼネラルモーターズが製造し、欧州ではオペル/ヴォグゾール・オメガと呼ばれたモデルで、英国製の3.0L V6エンジンを搭載している。

この個体は、最も売れた1997年に登録された2万5411台のうちの1台である。

キャデラック・カテラ
キャデラック・カテラ

AMCイーグル(1980年)

資金難に陥ったAMCが、まったく新しいクラスのモデルを生み出すとは、誰も想像できなかった。1979年に発表された四輪駆動のイーグルは、多くの人を驚かせた。珍しいモデルだが、ぜひ画像を検索してみてほしい。

この世界初のクロスオーバー車が、30年ほど時代を先取りしていたのは残念なことだ。写真の個体は1980年製造のものと思われる。

AMCイーグル(1980年)
AMCイーグル(1980年)

リンカーン・コンチネンタルMKIII(1971年)

当時フォードのフラッグシップであったリンカーン・コンチネンタルMkIIIは、フォード副社長のリー・アイアコッカがサンダーバードにロールス・ロイスのグリルを付けるようデザイナーに指示したことから生まれたようだ。残念ながら、この1971年式の個体からはグリルが失われている。

リンカーン・コンチネンタルMKIII(1971年)
リンカーン・コンチネンタルMKIII(1971年)

デソト・ファイアフライト・スポーツマン(1957年)

1955年、デソトの最上級車として登場したファイアフライト。しかし、このスポーツマンが発売された1957年当時は、アドベンチュアラーがトップの座を奪っていた。2万8430台のファイアフライトのうち、スポーツマンは7217台にも満たない。正真正銘のレアモデルである。

デソト・ファイアフライト・スポーツマン(1957年)
デソト・ファイアフライト・スポーツマン(1957年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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