世界一のジャンクヤード? 米アイダホ州の廃車売り場で宝探し 前編

公開 : 2022.10.09 06:05

シボレー・コルベア(1960年)

この1960年式のシボレー・コルベアは、歪んだバンパーのせいで不機嫌そうに見えるが、窓と内装が失われているため、笑顔を取り戻すのは難しそうだ。

自動車業界では悪名高いラルフ・ネーダー氏が「どんな速度でも安全ではない」と宣言したにもかかわらず、コルベアは米国政府によって「安全」と認定された唯一の自動車である。1960年から1969年の間に、合計200万台近くが製造された。

シボレー・コルベア(1960年)
シボレー・コルベア(1960年)

オールズモビル・ヴィスタクルーザー(1968年)

オールズモビル・ヴィスタクルーザーは、かつてデモリション・ダービー(クルマを壊し合う競技)の参加者の間で人気があったが、それは当時ほとんど価値がなかったためだ。1998年に始まったテレビ番組『ザット’70sショー(原題:That ’70s Show)』で主役を演じたことがきっかけで、人気が急上昇した。

ルーフが高く、パノラマ式の天窓が特徴的なこの個体は、1968年に製造されたもの。写真右のウサギは、このクルマと一緒に暮らしている数百羽のうちの1羽。

オールズモビル・ヴィスタクルーザー(1968年)
オールズモビル・ヴィスタクルーザー(1968年)

マーキュリー・パークレーン(1964年)

1964年、新車の マーキュリー・パークレーン・ブリーズウェイを3413ドルで購入したのは、わずか2420人。そのため、このストレートで腐敗のない個体はかなり希少だ。アイダホの夏の日差しに照らされたクロームの輝きを見てほしい。

マーキュリー・パークレーン(1964年)
マーキュリー・パークレーン(1964年)

ビュイック・リヴィエラ(1972年)

ドアやトランクの蓋が常に閉まっていることを徹底しているジャンクヤードもあるが、L&Lクラシック・オートではあまり優先されないようだ。この1972年式ビュイック・リビエラ「ボートテール」の運転席ドアは、おそらく何年も開いたままになっているのだろう。シートが完全に駄目になっている理由も納得。

アイダホの土の中にこんなに深く沈んでしまうなんて、何年同じ場所に置かれていたのだろうか。

ビュイック・リヴィエラ(1972年)
ビュイック・リヴィエラ(1972年)

フレイザー・スタンダード(1948年)

希少なフレイザー・スタンダードのレストアをお考えなら、この1948年式に3500ドル(約50万円)をかける価値はあるかもしれない。フロントとリアのバンパーに少しダメージがあるが、テールライトとリアのフロントガラスが欠けている以外は、すべて揃っている。

6気筒エンジンと3速マニュアル・コラムシフト・トランスミッションも残っており、ドアパネル以外はインテリアも充実している。

フレイザー・スタンダード(1948年)
フレイザー・スタンダード(1948年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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