フォード・エコスポーツ1.5デュラトルクTDCI
公開 : 2014.08.14 23:30 更新 : 2017.05.29 18:54
■どんなクルマ?
フォード・フィエスタをSUVのような仕立てにしたエコスポーツは、フォードの掲げるレンジ拡大戦略によって生み出されたモデルのひとつだ。
現段階では2種類のガソリン・エンジンと1種類のディーゼルから棲み分けがなされている。最も安価なガソリン・モデルは113psを発生、車両価格は£14,995(222万円)。その上に1.0ℓのいわゆるエコブースト3気筒エンジンを積む125psのモデルが£15,995(237万円)という価格で設定される。もしディーゼル・エンジンのエコスポーツが欲しいのならば、そこから更に£500(7万4千円)を支払うことになる。
1.0ℓのエコブーストをテストした際、優れた視界をもたらす良好なドライビング・ポジション、充分な居住/ラゲッジ・スペース、まずまずなハンドリングであることを評価したことは記憶に新しい。
10.65mの最小回転半径は、ヴォグゾール・モッカ、日産ジュークよりも小さいが、ルノー・キャプチャーより大きい。しかし、こじんまりとしたディメンションは、街なかでの優位性を発揮するに違いない。
■どんな感じ?
ディーゼル・エンジンの例に漏れず、やはりこのクルマも活気がある。
乾燥重量はガソリン・エンジン+34kgとなり、0−100km/h加速は14.0秒と言うのがメーカーの公表値だ。
さほど速くはないうえに、エンジン自体の洗練が今ひとつなので、市街地でもたつく事があった。それに3気筒エンジンのキャラクター性に比べると味気ない。
エコブーストのパワー・ステアリングは軽すぎると感じたのだが、こちらの場合はやや重すぎる。しかし、軽すぎるよりかはこちらの方が印象は良い。結果的に、ガソリン・モデルのそれの影を薄めていることからも、こちらの方は好ましいと考える向きは少なくないはずだ。
■「買い」か?
魅力が控え目にも感じなくはないこのグレードに、追加資金を支払う価値があるかについて。
CO2の排出量が120g/kmに抑えられている点では、オススメできる。ただし実燃費は15.9km/ℓ、メーカーの公表値である21.7km/ℓとかけ離れた結果になったのは残念だ。ただしエコブーストの燃費が14.1km/ℓということを考慮にいれれば、ディーゼルのほうがわずかに経済的だと言えるだろう。
近距離の使用を主とするユーザーには、この程度の差はあまり得した実感が無いかもしれないが、長距離ユーザーならばこの恩恵を受けることになりそうだ。
(マット・バート)
フォード・エコスポーツ1.5デュラトルクTDCI
価格 | £16,495(284万円) |
最高速度 | 160km/h |
0-100km/h加速 | 14.0秒 |
燃費 | 21.7km/ℓ |
CO2排出量 | 120g/km |
乾燥重量 | 1384kg |
エンジン | 直列4気筒1498ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 90ps/3750rpm |
最大トルク | 20.7kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |
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