いま運転の楽しいEVは? 9位〜7位 フォルクスワーゲンID.4 マツダMX-30 フィアット500e 英編集部選TOP 11(2)

公開 : 2022.10.15 09:46

7位 フィアット500e 小サイズで機敏に走る

新しいフィアット500eを、好意的に受け止めている人は多い。筆者もファンの1人だ。

スタイリングは可愛く、ボディサイズは小さく、機敏に走る。内燃エンジン版よりひと回り大きくなったものの、初代から派生する魅力や遊び心が詰まっている。車内の居心地も良い。

フィアット500e 47kWh(英国仕様)
フィアット500e 47kWh(英国仕様)

サーキットは500eが得意とする環境ではないとしても、シティカーとしての楽しさがここでも光る。シャシーはレスポンスに優れ、ステアリングホイールへの入力に細かく反応。それでいて、過敏だったり不安に感じさせることはない。

重心が低いためボディロールは小さく、意欲的にコーナーへ飛び込んでいく。アクセルペダルでのライン調整も僅かながら可能。最高出力は118ps、最大トルクは22.3kg-mしかないが、気がつくと500eを長時間運転していた。

回生ブレーキと摩擦ブレーキが共存するBEVにあって、ブレーキペダルの感触も良い。パワーが穏やかなぶん、回生ブレーキの制御は難しくないのだろう。

ステアリングホイールに伝わる感覚が、ドライバーを刺激する。コーナーで僅かにボディを傾けながら、脱出に向けてすべてのパワーを掛けられる走りが好ましい。他のモデルが辛そうな急な曲がり角でも、積極的に路面へ食らいつく。とても楽しい。

フィアットらしい、控えめな動力性能ではある。だが、パワフルなアバルト仕様が控えている。われわれが期待する、小さく熱々なBEVになるかもしれない。 Matt Prior(マット・プライヤー)

フォルクスワーゲンID.4 GTXとマツダMX-30、フィアット500eのスペック

フォルクスワーゲンID.4 GTX(英国仕様)のスペック

英国価格:5万5555ポンド(約916万円)
全長:4584mm
全幅:1852mm
全高:1612mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.2秒
航続距離:468km
電費:5.7-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2149kg
パワートレイン:AC非同期モーター(フロント)+AC同期モーター(リア)
バッテリー:77.0kWh(実容量)
最高出力:299ps
最大トルク:48.0kg-m
ギアボックス:シングルスピード

マツダMX-30 e-スカイアクティブ(英国仕様)のスペック

価格:4万8490ポンド(約800万円)
全長:4395mm
全幅:1795mm
全高:1570mm
最高速度:140km/h
0-100km/h加速:9.7秒
航続距離:199km
電費:5.6km/kWh
CO2排出量:−
乾燥重量:1645kg
パワートレイン:同期モーター
駆動用バッテリー:29.0kWh(実容量)
最高出力:145ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

フィアット500e 47kWh(英国仕様)のスペック

フィアット500e(欧州仕様)
フィアット500e(欧州仕様)

英国価格:2万9435ポンド(約485万円)
全長:3632mm
全幅:1683mm
全高:1527mm
最高速度:146km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:320km
電費:8.5km/kWh(予想)
CO2排出量:−
車両重量:1365kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:37.3kWh(実容量)
最高出力:118ps
最大トルク:22.3kg-m
ギアボックス:シングルスピード

続く6位〜4位は(3)にて

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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