心や感覚がリセットされる ケータハム・スーパーセブン 2000へ試乗 2.0Lデュラテック搭載

公開 : 2022.10.11 08:25

クラシカルなスーパーセブンが600と2000へ一新。他に例のない極上ドライビング体験を、英国編集部は高く評価します。

600と2000のスーパーセブン

ケータハムは、2022年にクラシカルな2シーターを一新させた。そのオリジナルといえるのは、セブン 270をベースにしたスーパーセブン 1600だ。

ボディへ固定されたフレアフェンダーにメッシュ状のフロントグリル、レザー張りのダッシュボードやレトロなメーター類などが与えられた、ちょっと味のあるセブンだった。ミニライト風のホイールと専用ボディ色が決まっていた。

ケータハム・スーパーセブン 2000(英国仕様)
ケータハム・スーパーセブン 2000(英国仕様)

その人気は高かったものの、フォードは動力源になっていた1600シグマ・エンジンの生産を終了。それに伴いスーパーセブン 1600も廃盤となり、モデルラインナップへ変更が加えられた。

今回登場したモデルの1つが、スズキの660cc 3気筒ターボを搭載するセブン 170がベースの、スーパーセブン 600。もう1台が、フォードの2.0L 4気筒デュラテック・ユニットを搭載したセブン 360がベースの、スーパーセブン 2000となる。

スーパーセブン 600の英国価格は、ベーシックなキットで2万9990ポンド(約494万円)から。ガレージで組み立てるのが難しい場合は、ケータハムの職人が仕上げた状態で、3万2585ポンド(約537万円)となる。

今回試乗したスーパーセブン 2000の価格は、キットで3万9990ポンド(約660万円)から。それぞれ、セブン 170より5000ポンド(約82万円)、セブン 360より8000ポンド(約132万円)ほど高い。

585kgの車重にトルクの太い2.0Lエンジン

どちらのスーパーセブンにも、スペアタイヤなどの追加装備が付いてくる。2000の方には、軽量化されたフライホイールも組まれる。そして何より、クラシカルな雰囲気にコーディネートされるのが最大の魅力といえる。

この差別化された容姿に惹かれているなら、少々お高めの値段は受け入れられるだろう。通常のセブンでは選べない、高級感のあるインテリアやシャシーチューニングもオプションとして用意されている。

ケータハム・スーパーセブン 2000(英国仕様)
ケータハム・スーパーセブン 2000(英国仕様)

ただし、ケータハムには既に多くの注文が寄せられている。今すぐ契約を結んでも、納車までに最低でも1年間は待つことになるという。また、クルマとしての価値は間違いなくあるものの、価格に対する合理性は必ずしも高いとはいえないと思う。

とはいえ、スーパーセブン 2000を運転すると、心が奪われずにはいられない。標準のサスペンションに182psを発揮する自然吸気4気筒エンジン、一般的なエイボン・タイヤを履いた試乗車に、筆者は夢中になってしまった。

過去にケータハムを運転した経験がある読者なら、驚くことではないかもしれないが。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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