いま運転の楽しいEVは? 2022年ベスト ポルシェ・タイカン GTSかBMW i4か? 英編集部選TOP 11(5)

公開 : 2022.10.16 08:26

ドライバーが享受する興奮に心配はない

現在のBEVは、まだ過渡期にある。それでも、内燃エンジンからのシフトが本格化して数年の間に、動的能力やドライビング体験が急速に磨かれたことは明らか。自動車業界の技術者は、有能な人が多いのだ。

技術の一般化や量産化が進めば、製造コストも下がっていく。フォルクスワーゲン・ゴルフGTIを超える身近さと楽しさを備えるモデルが、登場する日は遠くないだろう。4位に食い込んだクプラボーンが、その可能性を匂わせていた。

シルバーのキアEV6 GTと、レッドのポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ、グレーのBMW i4 eドライブ40 Mスポーツ
シルバーのキアEV6 GTと、レッドのポルシェタイカン GTS スポーツツーリスモ、グレーのBMW i4 eドライブ40 Mスポーツ

内燃エンジンは素晴らしい。筆者もまだ愛し続けたい。

しかし、ハイオクからエレクトリックへ切り替わっても、ドライバーが享受する興奮に心配はないことが、今回の比較試乗で確かめられたと思う。来年の今頃には、さらに能力の優れた、お手頃なモデルによる11台の比較試乗が実現するのではないだろうか。

この企画の初回となった2022年の勝者は、ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモだ。ドライバーズEVの誕生を祝い、開発へ関わったすべての人へ敬意を表したい。

ポルシェ・タイカン GTS、BMW i4、キアEV6 GTのスペック

ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(英国仕様)のスペック

英国価格:10万7000ポンド(約1765万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1405mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.7秒
航続距離:423-489km
電費:4.1-4.8km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2295kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:83.7kWh(実容量)
最高出力:598ps(システム総合)
最大トルク:86.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)

BMW i4 eドライブ40 Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:5万4980ポンド(約907万円)
全長:4783mm
全幅:1852mm
全高:1448mm
最高速度:189km/h
0-100km/h加速:5.7秒
航続距離:558-587km
電費:5.7-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2125kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:80.7kWh(実容量)
最高出力:340ps
最大トルク:43.7kg-m
ギアボックス:シングルスピード

キアEV6 GT(英国仕様)のスペック

英国価格:6万1595ポンド(約1016万円)
全長:4680mm
全幅:1880mm
全高:1550mm
最高速度:259km/h
0-100km/h加速:3.5秒
航続距離:405km
電費:4.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2165kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:74.0kWh(実容量)
最高出力:585ps
最大トルク:75.2kg-m
ギアボックス:シングルスピード

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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