ボルボC40リチャージ・アルティメット&XC40リチャージ・プラス試乗 2種のモーター乗り比べ
公開 : 2022.10.16 11:45 更新 : 2023.01.19 21:14
ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーターとXC40リチャージ・プラス・シングルモーターを比較試乗しました。
ラインナップ拡充、シングルはどう?
昨年発表され話題を呼んだこのクルマは、ボルボ・ブランドとして初のBEVとなる。
2025年までに販売車両の半数をBEVに(日本は45%)、さらに2030年までにはすべてBEVに切り替えると宣言した同社にとって大切な第一歩である。
導入当初のC40リチャージは車体の前後に1基ずつモーターを装備するツインモーターのAWDモデルのみだった。
ところが今年の3月にはシングルモーターのFWDモデルの受注も開始され、選べる幅が広がっている。
一方ボルボは今年の5月、XC40のBEVモデルであるXC40リチャージも本邦デビューさせている。
こちらは当初からツインとシングルという2種類のパワートレインが選べるようになっている。
今回はツインモーターのC40リチャージとシングルモーターのXC40リチャージを乗り比べることができたので、そのフィーリングの違いをリポートしてみたい。
ちなみに両車はCMAプラットフォームを核とする兄弟車であり見た目はSUVクーペ風のC40の方が軽快に見えるが、実際の車重は同一となる。
以前も「直4対V6」のような比較は存在したが、BEVの場合はモーターの数が最高出力のみならず駆動方式にも影響を与えるという点で興味深い。
つまり必然的に直4 FWD対V6 AWDのような図式が出来上がるのだ。
ではまず「シングル」から試乗してみよう。
電動の滑らかさ、呼応するシャシー
シングルモーターの試乗車はXC40リチャージ・プラス・シングルモーター。
見た目におけるXC40のHEVモデルとの最大の違いはフロントグリルがカバーされている点。
それ以外のヘッドランプやバンパーの形状などもマイナーチェンジ後のスタイルになっている。
車両価格は579万円に設定されているが、CEV補助金を活用すると500万円をわずかに切る価格になり、これはXC40のベースモデル、B3プラスと同等だという。さらに東京都の補助金が適用された場合は451万8000円というXC40シリーズの最安値となるらしい。
走りだした瞬間に感じるのは、右足に吸いつくようなEVならではのパワーデリバリーだ。
ワンペダルによる制動感も扱いやすい。ちなみにスタートボタンは省かれ、シフトノブをDに入れるだけで走行可能となる。
このシングルモーターのスペックはモーターの最高出力が231psで駆動用バッテリーの容量は69kwh、1充電あたりの航続距離は502kmとなっている。
一方ツインモーターの最高出力は204ps×2で408ps、バッテリー容量は78kwh、航続距離は484kmなので、走行距離にパワーほどの差はない。
車重は2tちょうどだが、モーターが回った瞬間から33.6kg-mの最大トルクがフルに供給されるので、加速力に一切不満はない。
それよりも感心すべきはしっとり滑らかなモーターの駆動とシンクロするような電動パワステ(特に中立付近の)の感触、そしてガッチリとしたボディが醸し出すいいモノ感だ。