ボルボC40リチャージ・アルティメット&XC40リチャージ・プラス試乗 2種のモーター乗り比べ

公開 : 2022.10.16 11:45  更新 : 2023.01.19 21:14

やはり重要視するのは「航続距離」?

シングルの印象は上々だった。

ところがC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーターで走りはじめると直感的にこちらの方が「より良い」と感じた。

ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター
ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター    山本佳吾

これはモーターの数云々ではないがツインの方が単純に乗り心地がいいのだ。

150kgという車重の増加で前後の重量配分が均等になった結果だろうか?

車重が軽い方がアシが硬く、重い方が柔らかく感じられるという傾向は、同じ硬さのバネを異なる重さのクルマに使った場合によくあるパターンだ。

とはいえ両者のサスペンションセッティングは異なっているという。

今回の場合シングル(XC40)の試乗個体の走行距離がわずか650kmだった点も気になる。

乗り心地の部分の答えは出そうにないので、本題のシングルかツインかに話を戻そう。

タイヤがスリップしそうなくらいツインモ-ターの全開加速は強烈だ。

そして加速する瞬間の、ボディ全体にキレイにパワーが入る様子は後輪も駆動するツインの方が少しだけ上質だ。

それでも僕がオーナーなら、一気に航続距離を縮めてしまうような加速は慎むだろう。

カタログスペック上の航続距離は先に記したとおりシングルが502km、ツインが484kmだが、ツインの長所を生かした場合には、もっと差が開いてしまうように思う。

シングルorツインの答えは愛車に何を求めるかによって異なるが、これはボルボのコンパクトSUVの話なのである。

さらに現状のわが国の充電インフラを考えれば、外出先で充電しないにこしたことはない。

リチャージ・オーナーの望みはシングルモーターで充分に叶えられると思う。

試乗した2モデルのスペックは?

ボルボXC40リチャージ・プラス・シングルモーター

価格:579万円
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1650mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:2000kg
航続距離:502km
電費:159Wh/km
CO2排出量:−
パワートレイン:交流同期電動機
バッテリー:69kWh
最高出力:231ps/4919-1万1000rpm
最大トルク:33.6kg-m/0-4919rpm
ギアボックス:1速固定式

ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター

価格:699万円
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1595mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:2150kg
航続距離:484km
電費:188Wh/km
CO2排出量:−
パワートレイン:交流同期電動機
バッテリー:78kWh
最高出力:408ps/4350-1万3900rpm
最大トルク:67.3kg-m/0-4350rpm
ギアボックス:1速固定式

ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター
ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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