フォルクスワーゲン・ゴルフSV GT 1.4 TSI

公開 : 2014.08.15 23:40　　更新 : 2017.05.29 18:58

■どんなクルマ?

ゴルフより高く、長く、広く。この3つが具現化されたゴルフSVの ’GT’ スペックを英国にてテストする。

標準のゴルフに比べて100mm車高が高いゴルフSV。GTはそこから15mm低くなり、そのアジリティを証明するチャンスを得たのだ。

■どんな感じ?

スポーツ・サスペンションと呼ばれてはいるけれど、想像するほどの硬さはない。扁平率65%の15インチ・ホイールを履かせた ’S’トリムよりも、むしろ柔らかく感じるほどである。

17インチ・アロイ・ホイールに組み合わされた扁平率45％のタイヤが従来の低燃費タイヤよりも柔らかいからかもしれない。オプションの可変ダンパーを選択せずとも、コントロールしやすく、入力に対して従順なのだ。

ターボ加給がなされる1.4ℓのTSIエンジンは、低い回転域から力強く、回転そのものも滑らかなもの。6速のギアボックスもシフト・チェンジしていて気持ちがいい。ステアリングは正確で反応も素早いので、運転が苦になることもなさそうだ。

フォードC-マックスほど楽しい気持ちにはなれないが、それでも操舵感覚は及第点。内装のスイッチ類は、どれもゴルフのそれの流用となるが、明快で押し心地もいい。言うまでもなくトランク容量は、全高の拡大に伴ってまずまずの大きさが確保される。

ご覧のとおり、Cセグメント車よりも高いヒップ・ポイントのおかげで乗り降りもしやすい。

■「買い」か?

フォード・フォーカスがC-マックスよりも売れるのと同じように、もちろん標準のゴルフの方がSVより売れるだろう。だけれども、前後左右に嵩が大きくなったモデルがあることは、ありがたい。

SUVを買わずして、ハッチバックよりも荷物の積めるクルマが欲しい人たちの間で根強い人気を博すに違いない。

(マット・プライヤー)