ゴルフGTIと競ったホットハッチ フォード・エスコート XR3/XR3i 英国版クラシック・ガイド 前編

公開 : 2022.10.30 07:05

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5速MTを搭載した1982年式エスコート XR3のオーナー、イアン・ジョーンズ氏。「天気が悪い日は運転しません」。と話すほど、大切にしている。

「最初のオーナーが購入後すぐに防錆塗装をシャシーに施しており、エスコートは守られてきました。サンルーフとプライバシーガラスを装備した上級仕様で、グレートブリテン島の南西、サウス・ウェールズ地方でずっと過ごしてきたようです」

フォード・エスコート XR3/XR3i(Mk3/1980〜1986年/英国仕様)
フォード・エスコート XR3/XR3i(Mk3/1980〜1986年/英国仕様)

「わたしは、26年前に400ポンドで購入しています。妻も、サンバースト・レッドに塗られたXR3のオーナーだったんですよ」

「1957年式シボレー・ベルエアに夢中になり、10年ほど放置状態でした。それでも、ブレーキのリビルドだけで復活できました。現在の走行距離は大体13万5000kmですが、これまでの26年間で1万6000km位しか走っていません」

「他にも1966年式のMGB GTやオペル・マンタなども所有しており、エスコートの出番は少ないですね。息子のロリーも、運転を楽しんでいることがうれしいです。イベントでの反応も良いですよ」

英国で掘り出し物を発見

フォード・エスコート XR3(Mk3/南アフリカ仕様)

登録:1984年 走行:2万6951km 価格:5995ポンド(約99万円)

南アフリカで生産された、キャブレター仕様のXR3。派手なサイドストライプが特徴で、暑い日差しで内装は日焼けしている。ダッシュボードも割れているが、それ以外のレザー内装の状態は悪くない。純正のラリー風ホイールが見た目を引き締める。

フォード・エスコート XR3(Mk3/1984年/南アフリカ仕様)
フォード・エスコート XR3(Mk3/1984年/南アフリカ仕様)

英国で乗るには、車検整備が求められる。幾つかの修理も必要ということだが、既に輸入関税は支払い済み。賢明な価格のMk3 XR3といえそうだ。

フォード・エスコート XR3i カブリオレ(Mk4/英国仕様)

登録:1989年 走行:11万1000km 価格:9000ポンド(約149万円)以下

ダイヤモンド・ホワイトのボディが美しいカブリオレは、2020年にレストア済み。標準仕様で整えられてから、殆ど乗られていない。エンジンやサスペンション、ブレーキはリビルドされている。

RSターボ用のボディキットとアルミホイールを履いており、ルックスも良い。オリジナルのレカロシートに破れはないが、若干生地が浮いているという。車検も付いている。

中古車購入時の注意点などは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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