ルノー・ヒストリックが出品! 結果に明暗 癖ある名車のオークション パリ・モーターショー
公開 : 2022.10.21 05:45
パリ・モーターショーにあわせて開催されたオークションにルノー・ヒストリックの一部が出品。会場の様子と結果を紹介します。
ルノー・ヒストリックが競売に
2022年10月18日から一般公開が始まったモンディアル・ドゥ・パリことパリ・モーターショー。
市内では同時多発的に、「パリ・オートモーティブ・ウィーク」の枠組みで自動車に関するさまざまなイベントが開催されている。
週末にその皮切りとしてシャンゼリゼ通り近くでおこなわれたのが、アールキュリアルによるヒストリックカーのオークションだ。
アールキュリアルはレトロモビルの公式オークショネアでもあり、70年代にBMWへアートカーの企画をもち込んだ画商で元レースドライバーのエルヴェ・プーランが競売人を務めることでも知られる。
これまでも有名なプライベート・コレクションから珠玉の個体を引き出してきたが、今回はルノー・ヒストリックから、数百台におよぶヒストリックカーの一部を競売にかけることになった。いわば公式のお蔵出しだ。
名車が出迎え 癖ある出品車両
車両展示の会場となったのは、シャンゼリゼ通りとモンテーニュ通りが交わるすぐ脇、アールキュリアル本社の駐車場。
普段は地下駐車場へのアプローチ通路となるスロープからレッドカーペットが敷かれ、サイズの関係もあってイセッタやムルティプラ、ヌォーヴァ500Dトランスフォーマブルという、リアウインドウまで畳めるタイプの希少なキャンバストップ仕様が出迎えてくれた。
もちろんすべて、競売にかけられる売り物の個体で、その日午後にイセッタから順に、1万3112ユーロ(約190万円)、2万8608ユーロ(約415万円)、1万9688ユーロ(約285万5000円)でそれぞれ落札された。
スロープの奥には英国のミドルウェイト・ロードスター3台、ローバー時代のMG RV8と1961年式MG-Aツインカム、そして1959年式オースチン・ヒーレー3000 Mk.Iが3すくみで並べられていた。
それぞれの落札値はRV8から順に、4万1720ユーロ(約605万円)、4万528ユーロ(約588万円)、7万328ユーロ(約1200万円)だった。
大抵、競売前に公示される落札予想値の下限は約6割ほどの価格から始まることが多く、安いからと入札するつもりのなかった入札者を増やして、コールを釣り上げてもらう意図がある。
しかし上に挙げた中で、ヌォーヴァ500以外は落札予想値幅の上限を超えることはなかった。
今回の競売車のセレクトはレアなモデルは無論、一部を除けばほぼエンジンにひと癖あり、しかもシリーズ中でもなるべく強大なスペックのパワートレインを積んだモデルが優先的にフィーチャーされたことは明らかだった。
メルセデスの190シリーズならエボI、ベントレーの新しいコンチネンタルならW12エンジンのスピード、といったロジックだ。
ポルト・ドゥ・ヴェルサイユにおけるモーターショーの方では、EVが主役になるであろうことを見越してのカウンター采配ともいえる。順当というよりはやや低調の気すら感じられた。