屋根は開いた方がイイ フェラーリ296 GTSへ試乗 PHEVで830psのオープン・スーパーカー 前編

公開 : 2022.10.23 08:25

システム総合830psのPHEVは不変

ミドシップで後輪駆動となる、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のパワートレインにも違いはない。V6ツインターボ・エンジンは663psを発揮。8速デュアルクラッチATとフライホイールとの間には、166psを発揮する駆動用モーターが組まれる。

最終的には、カタログ上の動力性能はGTBとGTSで一致している。0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は330km/hがうたわれる。

フェラーリ296 GTS(欧州仕様)
フェラーリ296 GTS(欧州仕様)

高度で複雑な、電子制御シャシー技術も同じ。ステアリングやペダルへの入力と、リミテッドスリップ・デフやセンサー、ジャイロスコープなどからのデータを統合管理し、操縦特性をドライバーが望む通りに調整してくれる。

コーナー出口でオーバーステアを楽しみたい場合は、パワートレインをパフォーマンス・モードに設定。ステアリングホイール上のダイヤルで、eマネッティーノをCTオフにすればOKだ。

サーキットでタイムアタックに挑む場合は、パワートレインをクオリファイ(予選)・モードに。eマネッティーノはレースにすれば準備完了。システム総合で830psという能力を、思う存分発揮できる。

すべてのパワーを解き放つと、言葉を失うほどの能力が顕になる。SF90のように、フロントアクスルにも駆動力が伝わり安定性を高められないと考えると、不安にも思える。恐らく、630psでも不満なく速いはず。

ところが、296 GTSの本領を開放しても危険には感じない。世界トップクラスのトラクション・コントロールとABSがバックアップし、素晴らしいサスペンションが公道の不整を見事に受け止めてくれるのだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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