悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー特集 86選 前編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:05

78:ヴォグゾール・セネター(英国)

1987年以降、ドイツなどでオペルが販売していた2代目セネター(日本にも輸入)は、英国でもヴォグゾールから販売されている。一般ドライバーだけでなく、英国警察官の心もつかんだが、1989年に24バルブ3.0L 6気筒エンジン(最高出力204ps)を搭載した新型が登場すると、本領を発揮するようになる。

ハイウェイ・パトロールからは確かなハンドリングと、コーンや仮設看板を積める大きなトランクが高く評価され、ヴォグゾールの大型車としては有終の美を飾った。セネターは、1993年に後継車もないまま廃止された。

78:ヴォグゾール・セネター(英国)
78:ヴォグゾール・セネター(英国)

77:レンコ・ベアキャット(カナダ)

米マサチューセッツ州に本社を置くレンコ社は1981年から装甲車を製造している会社。2001年、ロサンゼルス郡保安官特別執行局と共同開発したのがベアキャットである。フォードF-550スーパーデューティをベースに、自動小銃の銃撃にも耐える装甲を身にまとい、車重8トンに達する。最高出力440psのフォード製6.7Lターボディーゼルが必要不可欠な車両だ。

写真のオタワ警察の戦術部隊をはじめ、SWATのような特殊部隊が使用している。その他、オーストラリア、ブラジル、オランダの警察でも採用。米国の陸海空軍も使っている。装備にもよるが、1台3000万〜4000万円ほどするようだ。

77:レンコ・ベアキャット(カナダ)
77:レンコ・ベアキャット(カナダ)

76:ホールデン・コモドアSV6(オーストラリア)

3.6L V6エンジンを標準装備したパトカーを使うオーストラリア警察には、感心せざるを得ない。コモドアはオーストラリアで最も知られたクルマであると同時に、何十年もの間パトカーとして活躍してきた。最高出力286psのV6エンジンは、キャデラックCTSにも搭載されている。

ホールデンの親会社GMが2017年にオーストラリア工場を閉鎖したため、悲しいことに、写真のような2016年モデルが最後となっている。唯一の国産メーカーであるホールデンの名はすでに消滅してしまったため、今後は海外ブランドを採用する必要がある。どんな車両が選ばれるのか、楽しみではある。

76:ホールデン・コモドアSV6(オーストラリア)
76:ホールデン・コモドアSV6(オーストラリア)

75:ランドローバー・ディスカバリー(英国)

ディスカバリーは、英国では特に珍しくもないモデルだが、発表時のエピソードが面白い。1989年にランドローバーが英国西部のプリマスで報道陣向けに新型ディスカバリーを発表したとき、その性能を見せつけるために近くの鉄道路線で列車を引っ張るという豪快なショーを行ったのだ。ランドローバーは最近でも、新型車で列車や大型トレーラーを牽引する映像を公開している。

75:ランドローバー・ディスカバリー(英国)
75:ランドローバー・ディスカバリー(英国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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