悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー特集 86選 前編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:05

74:フォード・ゼファーMk2 ファーンハム・エステート(英国)

1959年、英国のM1高速道路が開通。警察は早速、強力な6気筒エンジンを積んだフォード・ゼファーを投入してその取り締まりに当たった。ところが、標識や三角コーンなど、必要なアイテムをすべて運ぶには積載スペースが足りないという問題に直面。ワゴン車のコーチビルダーであるファーンハムに大量に送り込んで、写真のように改造してもらったのだ。

スペースを拡大しただけでなく、当時としては非常に珍しい白色を基調としたカラーリングにし、視覚的な抑止力を狙った点も見逃せない。ちなみに、1965年12月までM1には速度制限がなかった。

74:フォード・ゼファーMk2 ファーンハム・エステート(英国)
74:フォード・ゼファーMk2 ファーンハム・エステート(英国)

73:ランドローバー110(英国)

かつて、英国内外の道路で、パトカーのカラーリングを施した初代ランドローバー(1990年から「ディフェンダー」と命名)がよく見かけられた時代があった。その駆動力は動かなくなった事故車両を運び出すのに最適で、雪道では真価を発揮した。その後、最新型の4WDに取って代わられるようになり、現在では初代ランドローバーはほとんど姿を消してしまった。

しかし、生まれ変わった新型ディフェンダーは、高速パトロールの任務にぴったりではないだろうか。

73:ランドローバー110(英国)
73:ランドローバー110(英国)

72:ミニ・カントリーマン(ジョージア)

最近のミニは、しばしば究極の「ライフスタイル車(おしゃれ車)」とみなされる。クルマ好きの英国人は皮肉を言いたい気持ちでいっぱいだろう。だから、ジョージア警察がカントリーマンを採用したのは喜ばしいニュースである。

72:ミニ・カントリーマン(ジョージア)
72:ミニ・カントリーマン(ジョージア)

71:ヴァルトブルク353W(東ドイツ)

西ドイツの警察官がアウディ200やBMW 5シリーズに乗る一方で、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の警察はハイテクとは言い難いヴァルトブルクを運転していた。しかし、暖房はかなり効いていたようで、冷戦時代には重宝したはずだ。

東ドイツの崩壊後、ヴァルトブルクの工場はオペル(当時はGM傘下)に買収された。やがてフランスのPSAの所有となり、現在では小型車オペル・コルサを製造している。

71:ヴァルトブルク353W(東ドイツ)
71:ヴァルトブルク353W(東ドイツ)

70:メルセデス・ベンツ ML 350(米国)

ビバリーヒルズは米国でも有数の高級住宅地であることから、地元警察がメルセデス・ベンツの高級SUVを使用していても文句は言われないだろう。写真のMLは、DAREと呼ばれる薬物教育キャンペーンのために、地元のベンツディーラーから寄贈されたもの。

70:メルセデス・ベンツ ML 350(米国)
70:メルセデス・ベンツ ML 350(米国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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