悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー特集 86選 前編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:05

69:シボレー・サバーバン「ジャマー」(米国)

合衆国の大統領が移動するときはいつも、大規模な車列を組む。大統領が乗るクルマを特定しにくくするために、全く同じキャデラックを必ず2台を走らせている。また、車列にはセキュリティチームを乗せたバンだけでなく、厳しい雰囲気のサバーバンも加わっている。これはシークレットサービスが運用し、道路脇の爆弾を起爆させないための妨害電波を放射する車両である。

また、ミリ波レーダーも搭載しており、ロケット弾による攻撃や、誘導弾によるレーザー照射を即座に察知することができるという。これらのセンサーが作動した場合、速やかにスモークグレネードを発射して煙幕を張り、車列を覆い隠して回避行動をとる。

69:シボレー・サバーバン「ジャマー」(米国)
69:シボレー・サバーバン「ジャマー」(米国)

68:ラピッドモデルF 700Bポリスパトロールワゴン(米国)

この乗り物は、警察車両の先駆けとして注目に値する。トラックメーカーのラピッド・モーター・ビークル(Rapid Motor Vehicle)は、1909年にGMに買収され、後のGMCのスタート地点となった。こちらのF 700Bポリスパトロールワゴンは、名称がGMCに変わる2年前、1910年の車両である。

68:ラピッドモデルF 700Bポリスパトロールワゴン(米国)
68:ラピッドモデルF 700Bポリスパトロールワゴン(米国)

67:ルノー4CV(フランス)

写真は、ルノーがパリ警察のために製造した75台の4CVのうちの1台で、逃走犯に銃を撃てるように側面を切り落としているのが特徴だ。オークション業者ボナムズは2017年、この1955年式の車両を3万9100ユーロ(約550万円)で落札した。

67:ルノー4CV(フランス)
67:ルノー4CV(フランス)

66:ポルシェ911(オーストリア)

この特集の後半で紹介するように、オーストリア警察は昔からポルシェ911のファンである。それは、ポルシェ博士が第2次大戦後、同国のグミュントに小さな工場を持って独立したことも影響しているだろう。オーストリアの内務省は2017年、写真の911カレラを数か月間所有し、高速道路の取締りに使用した。

ポルシェのオーストリア部門を率いるヘルムート・エッゲルト博士は、「警察とのパートナーシップは長い伝統があります。1960年代から70年代にかけては、青いライトを点滅させたポルシェの警察車両や憲兵隊車両を見ることは珍しくありませんでした」と回想している。

66:ポルシェ911(オーストリア)
66:ポルシェ911(オーストリア)

65:ジャガーXJ6(英国)

エグゼクティブクラスのクルマが一般的に使われるようになって久しいが、ラグジュアリークラスのクルマはまだ少ない。英国警察は幸運にもXJ6を手に入れることができた。1970年代初頭から1990年代初頭まで、英国では高速パトロール用としてXJが使われていたようだ。

しかし、XJの導入と運用には費用がかかる。今日、英国の警察官がXJを運転するチャンスといえば、首相を乗せた装甲付きの車両しかない。

65:ジャガーXJ6(英国)
65:ジャガーXJ6(英国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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