悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー特集 86選 中編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:25

39:テスラモデルS(ルクセンブルク)

警察車両は、普通の乗用車と比べると非常にヘビーな使われ方をする傾向がある。パトロールや緊急事態への対応など、ほとんどの時間を外で過ごすからだ。そのため、航続距離が限られ、充電にも時間がかかるEVは不向きなように思われる。

しかし、テスラ・モデルSの1回の充電の実走行距離は約400kmで、EVの中では最長クラスである。しかも、非常に速い。とはいえ、ルクセンブルクは小さな国家(神奈川県とほぼ同じ)であるため、航続距離がそれほど問題にはならないことは覚えておきたい。

39:テスラ・モデルS(ルクセンブルク)
39:テスラ・モデルS(ルクセンブルク)

38:デイムラーSP250(英国)

ロンドン警視庁が交通課用に大量に購入した、グラスファイバーボディーの2シーター・スポーツカー。2.5LのV8エンジンを搭載し、ますます高性能化する乗用車の悪党を捕まえるのに最適だった。

デイムラーはかつて英国に存在した自動車メーカーで、ドイツのダイムラーとは異なる。

38:デイムラーSP250(英国)
38:デイムラーSP250(英国)

37:ライカン・ハイパースポーツ(アブダビ)

ドバイにできることは、同じ首長国のアブダビにもできる。だからこそ、アブダビはライカン・ハイパースポーツを警察車両に選んだ。1台340万ドル(約5億円)もするこのクルマは、わずか7台しか製造されていないため、どう考えても普通のパトカーではない。

ライカンはドバイに本社を置いており、このハイパースポーツは中東で設計・製造された最初のスポーツカーということになる。最高出力791psを発生するツインターボ水平対向6気筒エンジンを搭載。0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は394km/hを誇る。

37:ライカン・ハイパースポーツ(アブダビ)
37:ライカン・ハイパースポーツ(アブダビ)

36:ビュイック・フォー・ドア・セダン(米国)

この1935年型ビュイックは、スポットライトや銃眼、そしておそらく防弾ガラスを装備して警察隊に配備された。直列8気筒エンジンを搭載した1935年型は、アクセラレータースターターとニーアクション(独立懸架)式フロントサスペンションも装備している。

ニーアクションは、ビークル・ダイナミクスの巨匠モーリス・オリー氏による先駆的な設計であった。ロールス・ロイスでの経験も持つオリー氏は、その後、C1コルベットのシャシーとサスペンションを開発することになる。

36:ビュイック・フォー・ドア・セダン(米国)
36:ビュイック・フォー・ドア・セダン(米国)

35:MGB(英国)

こちらは標準的な1.8LのMGB GTだが、V8エンジン搭載のBは、警察に人気のモデルであった。なぜなら、警察が2シーターのスポーツカーに乗っていると考えるドライバーは少なく、覆面パトカーに最適だったためだ。

現在、オックスフォード市の南15kmにある旧MG工場を一部拠点としているテムズバレー警察も、MGB GT V8の覆面パトカーを使用していた。

35:MGB(英国)
35:MGB(英国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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