悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー 86選 後編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:45

可愛い小型車から1人乗りのスポーツカー、1台数億円のハイパーカーまで、世界各国の警察で使われている「面白いパトカー」を紹介します。

25:レクサスIS F(英国)

英国のハンバーサイド警察は、2007年に発売されたスポーツセダン、レクサスIS Fにいち早く飛びついた。5.0Lエンジンで422psを発揮し、最高速度は270km/hに達するが、英国人ドライバーにとって興味深いのは、ローバーSD1 3500以来初のV8エンジン搭載車であったということだろう。

コンピューター、四方カメラ、2台の無線機など、3万ポンド(現在のレートで約5万ポンド、約840万円)相当の機材を積んでいたのだから、V8は重宝されたに違いない。ハンバーサイド警察の車両犯罪課の指令車として使われていた。

25:レクサスIS F(英国)
25:レクサスIS F(英国)

24:ローバーSD1(英国)

SD1には4気筒モデルと6気筒モデルがあり、英国では多くのパトロール隊で取り締まり業務に使用されていた。しかし、交通課に配備されたのは、ビュイック設計の合金製3.5L V8エンジンであった。1987年5月のある出来事によって、その英雄的地位は確固たるものとなる。

その日、2台のローバーSD1 V8が、ロンドン北東部にあるスタンステッド空港から、ロンドン西部の病院に入院中の重篤患者に肝臓の臓器提供を行うため、時間との戦いに挑んだのだ。

24:ローバーSD1(英国)
24:ローバーSD1(英国)

高速道路M11を最高時速190km/hで走行し、ロンドンの昼の大渋滞を突っ切って、45kmの道のりをわずか31分で走破した。肝臓は無事に病院に届けられ、患者は一命を取り留めた。

23:ハンヴィー(米国)

ミシガン州ディアボーンフォード社の本拠地として有名だが、警察車両がすべて青いセダンだったわけではない。このハンヴィーもれっきとしたパトカーである。このハンビーがどのような経緯で採用されたのかは不明だが、元軍用車両の可能性は十分にある。

2010年代、イラクやアフガニスタンから米軍が撤退し、不要になった余剰車両が全米の警察署に流れ込んだのだ。なお、民間用モデルのハマーの名は2010年に消滅したが、現在、巨大なEVとして復活している。

23:ハンヴィー(米国)
23:ハンヴィー(米国)

22:フォード・カプリ2.8i(英国)

グレーター・マンチェスター警察で愛用されたフォード・カプリ。引退したある警官は、次のように回想している。

「カプリは追跡用車両として時代の最先端を走っていた。何者にも負けないよ。ドライの時は最高だけど、ウェットの時は……たまげたよ!コーナーの進入でアクセルを踏みすぎると、必ずリアが滑るんだ。冬場は頻繁に機材を取り出し、土嚢を積んでバックエンドを抑えていたよ」

22:フォード・カプリ2.8i(英国)
22:フォード・カプリ2.8i(英国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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