悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー 86選 後編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:45

8:ポルシェ964型911(オランダ)

ポルシェの911、しかもカブリオレだ。オランダの国家警察(Rijkspolitie)は1960年代、速度制限のなかった高速道路を取り締まる任務を担っており、そのために速いクルマが必要だったのである。

この964型911 カブリオレをはじめ、さまざまなポルシェが最終的に507 台導入されている。残念ながら1993年に警察組織の再編成により国家警察は解体され、オランダからポルシェのパトカーは姿を消してしまった。

8:ポルシェ964型911(オランダ)
8:ポルシェ964型911(オランダ)

7:ダッジ・ヴァイパー(米国)

この2000年モデルのダッジ・ヴァイパーは、もともと個人所有の車両であった。元オーナーはイリノイ州プレインフィールドで、時速35マイル(約56km/h)ゾーンを時速127マイル(約204km/h)で走り、警察から逃れようとしたが失敗。元オーナーはあえなく捕まり、ヴァイパーも警察に押収され、ハイウェイ・パトロールの一員として「更生」の道を歩んでいる。

7:ダッジ・ヴァイパー(米国)
7:ダッジ・ヴァイパー(米国)

6:スズキジムニー(イタリア)

先代のジムニーは20年近く生産され、世界各国で小型SUVの市場シェアをかなり独り占めしていた。2018年に登場した新型は、タフなルックスと実用性に優れたインテリアを備えている。

イタリアのカラビニエリ(国家憲兵隊)も新型ジムニーを導入したが、山岳地帯では間違いなく重宝されることだろう。しかし、厳しい排ガス規制のため、欧州での乗用モデルの販売期間は非常に短かった。ちなみにカラビニエリでは、ロータスエヴォーラSも複数運用している。

6:スズキ・ジムニー(イタリア)
6:スズキ・ジムニー(イタリア)

5=ポルシェ911タルガ(オーストリア)

ポルシェのバッジを冠したクルマが最初に作られたのはオーストリアだったので、同国の憲兵隊が911を採用したのも当然といえるだろう。オランダ、ベルギー、ドイツ、オーストリアの各警察は、ハイウェイ・パトロールに911を配備していた。

写真の911 Tタルガはリアワイパーを装備しているのが特徴だ。しかし、大人3人を乗せるのは難しい……。

5=ポルシェ911タルガ(オーストリア)
5=ポルシェ911タルガ(オーストリア)

5=フェラーリ458イタリア(チェコ共和国)

ここまで見てきたように、多くの警察組織が押収車両をパトカーに改造している。チェコ共和国では通常、押収した車両は売却して政府に返還されるが、この2011年モデルのフェラーリは特別だった。

もともとは赤色だったが、2022年に1万1000ドル(約160万円)ほどかけて再塗装され、パトカーに生まれ変わった。チェコ当局によれば、高度に訓練されたドライバーが搭乗し、盗難車の追跡や違法なストリートレースの取り締まりに使用されるという。このようなクルマのお世話になるのも悪くはない気がするが……。

5=フェラーリ458イタリア(チェコ共和国)
5=フェラーリ458イタリア(チェコ共和国)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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