ブランド初のハイブリットSUV アルファ・ロメオ・トナーレ・ヴェローチェへ試乗 追ってPHEVも

公開 : 2022.11.05 08:25

多くのライバルにも勝る意欲的な走り

マイルド・ハイブリッドのパワートレインへ滑らかに仕事をさせるには、ステアリングホイール裏の大きなパドルをドライバー自ら弾くと良い。低速域では、7速ATの振る舞いも改善できる。

トナーレは、ドライブモードをダイナミック・モードにすると、より自然に走るSUVでもある。姿勢制御が引き締まり、ステアリングホイールの重み付けが増し、パワートレインの活気も強まる。デフォルトのナチュラル・モードでは、若干気だるそうに振る舞う。

アルファ・ロメオ・トナーレ 1.5ヴェローチェ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・トナーレ 1.5ヴェローチェ(英国仕様)

シフトレバーの前方にはダイヤル状のセレクターがあり、中央のボタンを押すとスポーティなモードでもアダプティブダンパーをソフトに変更することが可能。フェラーリでいうところの、バンピー・ロード・モードのように。

そうすれば、積極的なエンジンマッピングと、快適な乗り心地とを両立できる。英国のように傷んだ路面ではありがたい。その乗り心地は、19インチ・ホイールを履いていると考えれば悪くない。

ちなみに、トナーレ Tiの標準的なダンパーと18インチ・ホイールという組み合わせの乗り心地も良好。ただし、その場合はシフトパドルが装備されない。

ステアリングホイールの反応はかなり敏感。8速ATをパドルで操作することに慣れれば、アウディQ3BMW X1レンジローバー・イヴォークなどにも勝る意欲的な運転に興じることができる。

支持を得るであろうモダン・アルファ・ロメオ

スタイリングはイタリア的で、魅力を感じる人も多いはず。先進的なデジタル技術と、伝統を感じさせる美意識が調和したインテリアも好ましい。現代的なアルファ・ロメオとして、ハイブリットのトナーレが支持を得るであろうことは想像に難くない。

確かに過去のモデルと同様に、完成度が高いとはいえないかもしれない。だが同じく、ライバルと比べて際立つ個性を備えたSUVであることも事実だといえる。今後に控えたPHEVは、その訴求力を一層高めることになるだろう。

アルファ・ロメオ・トナーレ 1.5ヴェローチェ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・トナーレ 1.5ヴェローチェ(英国仕様)

アルファ・ロメオ・トナーレ 1.5ヴェローチェ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万2495ポンド(約713万円)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.8秒
燃費:15.9-17.6km/L
CO2排出量:−
車両重量:1525kg
パワートレイン:直列4気筒1469ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps/5750rpm
最大トルク:24.4kg-m/1500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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