買えるときに買っておけばよかったクルマ 12選 価格高騰で手が出せない名車たち
公開 : 2022.10.29 06:05
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
第7世代のフォルクスワーゲン・ゴルフGTIは、まだ中古車価格もすば抜けて高騰しているわけではない。1万5千ポンド(約250万円)も出せば手に入れられる。でも、重要なのはそこじゃない。
筆者が狙うのは、2017年から2018年に長期テスト用として借りていたモデル。最高出力230psの3ドア、MTの標準的な仕様で、オプションはほとんどついていなかった。不必要な馬力アップ、強化ブレーキ、リミテッドスリップデフを追加するパフォーマンス・パックもない。
デジタル化が急速に進み、「アシスト」されたドライビングや果てしない馬力競争に翻弄される中、とてもシンプルで純粋かつアナログ的な感覚(タータンチェックのシート、ゴルフボール型のシフトノブなど)を持ち続けていたクルマだ。
当時、筆者はこのクルマを買いそうになったが、すぐに買わなかったことを後悔した。第8世代のゴルフGTIが、よりハードでパワフルになったこと、そして次の世代では電気駆動が必然であることを考えると、輝かしい最終章を飾るに違いないのである。やっぱり手を出してみようかな……。
アルファ・ロメオSZ
アルファ・ロメオのSZが大好きだ。運転したこともなければ、乗せてもらったこともない。でも、1990年代前半に自動車雑誌を開いて、そのブルータリズムなラインを見たとき、これほどまでにクルマが欲しいと思ったことはなかった。
2000年代初頭は、ほとんど手の届くところにあった。筆者の記憶が正しければ、1万5000ポンド(約250万円)から2万ポンド(約330万円)で購入できたはず。クルマにこだわる人であれば、腹をくくれる額だろう。
だが、筆者は当時、あまり外出もしないのにケータハム・セブンをフルローンで買っており、とても手が出せなかった。手入れが大変で、ボディのスペアパーツも手に入らないSZを買うのは無理があるのでは?
ということで、セブンを売ってドゥカティ748を買うことにした。安くて、見た目もよくて、どんなクルマよりもスリルがありそうだ。いいバイクだし、今ならもう1台買えるけど、状態のいいSZは7万ポンド(約1100万円)もするから、絶対に所有できない。
ルノー・クリオ・ウィリアムズ
1993年シーズンはウィリアムズF1のピークであり、ルノーV10はそのパワーと信頼性で、ホンダ、フォード、フェラーリといったライバルを粉砕していた。当時10代の筆者は、キャメルのタバコとヒルクライム、ナイジェル・マンセルに夢中だった。この少年にとって、ルノー・クリオ・ウィリアムズほどクールなロードカーはなかったのだ。
ゴールドのホイール、ディープブルーのペイント、スクエアなスタイリングは、1990年代初頭のスタイルの典型だった。我が家はルノー・ディーラーの前を定期的に通っていたので、ウィンドウに映るその姿に目を奪われたのを今でも覚えている。このクルマで運転を覚えたい、と思ったものだ。
3つのエディションがあるが、個人的にはファーストがお気に入りである。ルノー19ディーゼルのクローズレシオのトランスミッションを搭載し、最高出力152ps(決して高い数値ではない)と1トンを下回る車重を実現しているからだ。
こうしたホットハッチの多くは、現在価格が上昇傾向にある。2015年にはいい個体が6500ポンド(約110万円)だったが、現在は2万ポンド(約330万円)をはるかに超えている。悔しい!