EVが事故を起こしたらどうなる? 電動車の安全性 雨でも充電できるか

公開 : 2022.10.28 21:45

走行時に出る「音」

もちろん、EVの乗員だけでなく、自転車や歩行者など周囲の道路利用者への配慮も求められる。道路を横断するときは「止まる、見る、聞く、待つ」とよく言われるが、静粛性の高いEVで最も難しいのは、音だ。特に都市部では、タイヤのきしみ音がかえって気になるほど低速で走ることが多く、自転車や歩行者に見落とされがち。実際、2015年に行われた調査では、EVは歩行者との事故に巻き込まれる確率が40%高いことが示されている。

しかし、日本では2018年3月から新型車に「車両接近通報装置(AVAS)」の装着が義務付けられ、2020年10月には継続生産車もその対象となった。低速走行時に人工的に音を発生させるもので、EVはもちろん、ハイブリッド車も対象である(速度や条件、音色はメーカーにより異なる)。英国など海外市場でも義務化されており、ほとんどのモデルではフロントバンパーの後ろ辺りにスピーカーを装着している。

低速走行時に出る音の「音色」はメーカーによって異なる。こだわりを持つメーカーもある一方で、音色は統一すべきとの声もある。
低速走行時に出る音の「音色」はメーカーによって異なる。こだわりを持つメーカーもある一方で、音色は統一すべきとの声もある。

雨の日でも充電できる?

もっともな疑問である。水と電気の関係性は広く認識されているだろうし、雨の日に高電圧の電気系統に接続することは災いのもとだと考えるのも当然だろう。しかし、幸いなことに、現実はそれほど危険なものではない。

まず、充電プラグとソケットは、水やゴミがほとんど入らないように慎重に設計されているし、充電ステーション自体も耐候性がある。さらに、充電器も車載システムも高度なシステムであり、接続部に水の侵入がないかなど、さまざまなチェックが行われるまで電気が流れることはない。つまり、基本的には天候に左右されることなく、安心して充電することができるのだ。

EVの防水対策は十分になされているが、家庭用の充電器では製品によって防水・防塵性能に差がある。不安な場合は無理な充電は避けよう。
EVの防水対策は十分になされているが、家庭用の充電器では製品によって防水・防塵性能に差がある。不安な場合は無理な充電は避けよう。

ただし、家庭用のウォールボックスEV充電器などは製品によって防水・防塵性能に差がある。また、万が一の感電を避けるためにも、濡れた手で充電器を扱うようなことは極力避けた方がいい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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